2009-01-01から1年間の記事一覧

Wind Chill or a Pale Driver

「人類の歴史とは、地下に秘め隠された犯罪の目録ではありませんか」 アンジェイ・ムラリチク『カティンの森』 エミリー・ブラント主演の映画『ヴィクトリア女王』が今週末から公開されるのだが、彼女が主演の映画それもヴィクトリア女王を演ずると聞いて、ず…

イスラエルのワルツ

『戦場でワルツを』 ――私は記憶の問題に焦点を絞っていたのであって、何かを主張したかったわけではないのです。 アリ・フォルマン(『戦場でワルツを』プログラムより) イスラエルにも良心派はいることを、私は想定できるし、イスラエルのしていることがす…

ホモソーシャルの海、大洗の海

『大洗の海にも星は降るなり』は、私の好きな演劇的映画だが、たとえば不在の女性をめぐる男たちの狂騒と競争は、たとえば『キサラギ』が思い浮かぶが、後者のほうは、戯曲が原作と思いきや、実は映画がオリジナルであり、その後、舞台化された。『キサラギ…

人間の仕分け

『2012』映画『2012』は、ローランド・エメリッヒ監督の一連のカタストロフ映画の集大成のようなところがあって、たとえば映画館ではD列(ほぼ最前列――AからC列までに座るひとはいないので)に座ったのだが、前過ぎたかという後悔の念は映画がはじま…

一休さん

昨日、京田辺の一休寺(酬恩庵、「一休寺」は通称)を訪問した。この時期、とりわけ21日からはじまる連休の京都は、紅葉をみようとする観光客で賑わい、たとえば21日に行った東福寺などは、関西ではテレビで宣伝してたらしく、まるで初詣の参拝客のような、…

蒼ざめた騎士

本日、夜7時からの宴会の約束が渋谷であって、その前に、映画をと思って、ユーロスペースの建物まで行って、気がついた。私の見ようと思っていた映画は、イメージフォーラムで上映されていた。駅の反対側じゃん。いまから渋谷のラブホテル街を突っ切って(ユ…

アラジンのストーブ

メールありがとうございます。 まあこれで私も50代後半になったので、 もう歳を取らないことにします。 今後は、誕生日は忘れます。 60歳までに病気で死ぬのがこれからの目標です。 アラジンのストーブ。まだ売っていることは知っていましたが、まさか買うと…

南極物語

ケイト・ベッキンセールを映画館でみるのは何年ぶりだろうか。というよりも11月9日の記述がまちがっていた。彼女はマイケル・シーンと夫婦ではない。彼女の夫は、彼女が主演した『アンダーグラウンド』の監督レン・ワイズマン。これは有名な話なので、何を勘違…

R&J

後期の授業で『ロミオとジュリエット』を読んでいる。授業中には、作品の録音CDを少しずつ聞いているのだが、今回はケンブリッジ出版局から出しているCDで、ずいぶん前に購入したのものだが、それを使うことにした。 一言で言えば、演出が舞台を再現するとい…

「ホモ」「ゲイ」

ネット上の「平井堅って「ホモ」か「ゲイ」? 「それは全くありません」と事務所が完全否定」というニュースをみて、我が目を疑った。驚いた。本文を読んでみると シンガーソングライター平井堅さん(37)が大阪の女子校で行われたFM放送の公開収録に登場した…

もっとひどい日

これからもっと嫌なことが起こる。そうすれば今日という日の嫌なことは、どうでもよくなるという論理を昨日紹介したが、もっとひどいことが起こった。 午後、翻訳をしていたら、夕方、ネットに接続していた私の操作ミスのようで、どういうわけかコンピュータ…

そして誰もいなくなった(『悪夢のエレベーター』)

落ち込んだ時にはどうするか。私の場合は、怖い映画、つまり普段、怖くて見ることができないような映画を見ることにしている。酒を飲んだり、旅に出るというような一般的方法とは違って、よけい気持が落ち込むのではないかと思われがちだが、人間、うっぷん…

アマルフィ問題

ある雑誌から原稿依頼が来た。トム・ストッパードの特集をするとのこと。9月に日本でも『ユートピアの岸辺』三部作が上映されたこともあり、特集するのは妥当な選択かもしれない。で、私が依頼されたのは、トム・ストッパードが脚本を書いた映画について。5枚…

Uninvited(『エスター』)

消防施設というか火災報知器の点検のため、日にちを土曜日にずらしてもらい、前日から大掃除をしてなんとか午前中に点検を終えた。比較的高い階に住んでいるので、火災報知器が最初から着いていて年に2回の点検がある。 大掃除に疲れ果てて、仕事ができず。…

台風

本日は家の消防施設の点検があって、朝から待機。9時から16時までなのだが、これまでの経験からすると、午前中には点検にやってくる。ただし今日は朝から、台風18号の影響で風が強い。だから点検は遅くなるかもしれないと覚悟はしていたが、午前11時頃に点検…

ニューヨークの株が下がる(『サブウェイ123』)

映画『サブウェイ123 激突』は、もっと早くみておくべきだった映画だったのに、ネット上のドバカ映画評のために、なにかエンターテインメントとしても面白くない映画かと勝手に思い込んで、見たいという強い気持ちがわかなかった。しかしバカに影響されては…

泣くもんか

本日は星占いが最悪だったのだが、昼過ぎまで忘れていた。昼過ぎ、電車に乗った。するとすこし行くと止まった。車内放送で、先行する列車のなかで気分が悪くなった乗客がいて、**の駅で搬送・手当てしているため、現在、上り電車の運行を見合わせていると…

独身で家を持つ

たぶん間違い電話だと思うのだけれども、**さんのお宅ですかと電話がかかってきた。**さんというのがはっきり聞き取れなかったのだが、私の苗字の一文字は入っていたような気がする。ただ、知り合いでもなんでもないので、どういう用件かを尋ねた。 そち…

神になろうとした男 4

Tが、あれほど嘘をついて(まあ詐欺師ではなくて、思いこみ、妄想の類だが、自己尊大化のための虚言癖であることはまちがいないので、嘘は、嘘なのだが)、迷惑をかけていても、もちろんそれによって人望を失っている部分も多いのだが、同時に、友人たちから…

神になろうとした男1

『しんぼる』編 1 松本人志の前作『大日本人』は、なにやらむつかしそうな前衛映画めいたところがあって、それで劇場まで足を運ぶのを敬遠した人も多かったようだが、予想に反して、良質のエンターテインメント映画で、馬鹿馬鹿しいギャグが満載だったが同…

昨日、宝塚市から帰宅、早めに起きて会議の準備。そして午後すぐに始まる会議のために出かけようとして、発見した。 今朝は星占いがあまりよくない。蟹座は比較的よかったので、蟹座と相性のよいさそり座も、絶好調ではないとしても、それになりによいかと思…

Day 0

移動日。今回は遅刻することなく、余裕をもって12時発の新幹線に乗ることができた。実際、乗る前に大学に出す書類を投函する余裕まであったのだから。新大阪行きで、新大阪まで乗る。窓際の席で、最終的に終点まで誰も横には座らなかった。空いている。唯一…

カンポの家

簡易保険(年金保険)について、「払い込みがなかったので、解約するが、復活はできる」という通知のハガキをもらっていたことに気づいた。実際のところ、うかつにも、私は簡易保険を何時支払っているのか把握していなかった。 毎年、簡易保険を支払っている…

100年の壁

前日、100歳の壁について書いたので、100年の壁について書いてみたい。 私の母方の祖父は、19世紀生まれである。と書いてもさほど驚かないかもしれない。たしかに19世紀生まれの祖父母を持つ人はいておかしくない。私のように50歳代で祖父母が19世紀生まれと…

100歳の壁

本日で東京の銀座松屋で行われていた熊田千佳慕展が終わった。もちろんその細密な植物や動物の絵の上手さはいうまでもないが、こうしてその繊細に描かれた線のひとつひとつ――ちなみに昆虫の脚の羽毛などは、細い筆の毛先で描いているのがわかるが、それより…

ウィングマーク

私は、もちろん飛行機どころか車も運転できない人間だが、パイロットという存在にはあこがれもあるし、また尊敬している。 たとえば軍人で、パイロットそれもたとえば空軍で戦闘機乗りといったら、ある種のスター気取りで、きざで、目立ちたがり屋で、気性も…

空からの贈り物

『ナイト・ミュージアム2』(2009)には、エイミー・アダムズが出演していることは予告編からわかっていたのだが、どんな役だったかは、もちろん映画をみるまではわからなかった(ちなみに、この映画に『1』から出ているオーウェン・ウィルソンとスティーヴ・…

Breaking the Silence 1

「村上春樹さんがエルサレムに行った理由 誌上で告白」(2009年3月9日12時29分)という記事が以前ネットに載ったことがある。 2月15日に開かれたエルサレム賞授賞式のスピーチで、イスラエルのガザ攻撃を批判して話題になった作家村上春樹さん(60)の…

Connected

電話保持ネットの映画情報サイトには、観てよかったコーナーがあって、まあだいたい予想通りの作品が並ぶのだが、突如『コネクティッド』という香港映画がランクインしてきた。どんな映画かと思うとベニー・チャン陳勝木の映画だいう。警察故事シリーズ? 調…

コブラ・ツイスト

G.I. Joe(2009)映画『G.I.ジョー』は比較的最近、新宿のバルト9で観ようとしたところ、エレベーターで上がる1階のフロアの電子掲示板の情報では、上映1時間前だというのに『G.I.ジョー』はすでに満席。ほどなく電子掲示板からも情報が消え、もうその日は…