違法攻撃


あとから知ったのだが、大阪の道頓堀のたこ焼店は、自発的に撤去したようで、行政代執行はしなくてすんだとのことだった。私は大阪のことは全く知らないし、たこ焼店にしても、たんなんる違法占拠なのか、深いわけがあるのか、法的根拠はなくても、同情すべきところがあるのか、ないのか、全く何もわからないのだが、ただ、行政代執行まで、断固営業を続けるかと思ったら、自発的退去したことと、先の市職員が乱暴を働いたこととの間には、因果関係のようなものをみるのは私だけだろうか。


意図的なものであれ、意図的なものでないのであれ、頑強に抵抗を続ける相手に対して、違法攻撃をすることによって、相手を降伏させることはよくある。無関係な偶発事故を装っていることが多かったり、因果関係が特定できないことも多いとしても、結果から見ると、まるで仕組まれたような違法攻撃がおこなわれ、それが降伏のきっかけになる。


イラン・イラク戦争の当時、アメリカのイージス艦がイランのジェット旅客機をミサイルで打ち落としたことがあった。イージス艦による事故ということで、処理されたが、その後ほどなくしてイラン・イラク戦争は停戦した。


もっと大掛かりな例としては、明らかに戦争を終わらせるために仕組まれたとはいえ、違法性が大きすぎるのが、頑強に抵抗をつづける日本に対する原爆投下である。原爆をふたつ落とされてその後日本は無条件降伏する。


思いがけない違法攻撃が、まるで仕組まれたかのように、あるいは仕組まれて、物事の終結を促すことは、ほかにもいっぱい例があるにちがいない。あまり陰謀史観にとらわれるのは、よくないとしても、歴史の闇には、つまり違法攻撃をめぐる闇には、いつか歴史が明かりを投げかけてくれることを祈るばかりである。