デブ専じゃないわい


DVDで『パプリカ』を見たのですか。

私は映画館で観ました。その時、午後3時くらいの回だったのですが、同じ列ですこし離れた席にすわった、男性の若者が、やにわにファーストフードを食べ始め、その脂っこい匂いがあたりに充満して気持ちが悪かったのですが(なぜ3時にそんなん食べるのかな)、まあそれはいいとして、食べ終わったらしい若者が、今度は咳をしつづける。うるさくてしょうがない。だいたい病気なら映画館へ来るな。休んでいろ。


幸い、指定席でもなかったので、私は少し後ろの列の端に席を変えた。そこは思ったよりもよい席で、足は伸ばせるは、映画のスクリーンは、前の席に座っている人を気にせず橋から端まで見ることができて、ちょっとよかったのですが……。


そんなことはどうでもよくて、『パプリカ』そのものは、面白かったとはいえ、どれもどこかで見たような映像表現で、安心して観れるとか、引用の織物のポストモダン文化といえばそれまでですが、しかしやはり新鮮味はなかったぞ〜。


ただあの所長が最初に狂っちゃう場面があったでしょう。ぼんやり観ていたら、突然、所長の台詞がわけがわからなくなって、一瞬こちらがパニックになった。だって日本語が理解不能になったという恐怖に襲われたので。あのときはちょっとショックだった。すくなくとも所長がおかしくなったのだとわかるまでの時間、私は自分が狂ったのではないかと恐怖したので。


あとヴァーチャルな世界でパプリカになっている女性が、デブが好きだということで、映画館でみた時には、お、デブ専、いいじゃんと思ったのですが(病気前のことです)、いまやこちらもデブを脱しつつあるため、デブが好きな女性がそれほど魅力的でもなくなったのですが……。