日本英文学会支部関東支部批判3

 不愉快な話題に戻る。

 富山太佳夫氏の「学術書翻訳者育成講座」も終わったようだが、私はこれをすでに批判した。それはこの夏休みという時期は、外国文学や外国文化の研究者は、海外にいることが多い。日本に残っているのは事情がある者たちばかりだろう。そうして人たちだけにむけて講座を開くのはおかしいのではないか。まるで夏休みに海外に出かけている奴らは、翻訳家になる資格などない、残っているのが立派なのだといわんばかりである。しかし、この考え方は外国文学や外国文化の研究者としては、おかしくないか。これが批判の骨子であった。なお参加者について批判しているのではない。


 さて日本英文学会関東支部についての疑義を書いておく。
 疑問は、支部の会費を日本英文学会事務局が徴収することである。
 支部の会費は、なぜ支部で徴収しないのか。支部の会費は今回は3000円ということだが、これは支部の事務局で徴収すべきなのに、日本英文学会事務局で徴収している。

 なぜか。

 各支部(北海道支部から九州支部にいたる)はそれぞれ支部で会費徴収をしているのか、それとも、すべて日本英文学会事務局にまかせているのだろうか。このあたりの説明がない。もしすべて日本英文学会事務局にまかせているのなら、めんどうなことを引き受けていることになるのだが、全国一律ならそれでよい。もしそうではなく関東支部だけが日本英文学会事務局に徴収をまかせているなら、それはおかしい。またそれが暫定的な措置なら、その旨、会員に伝えるべきである。

 まあそのようなおかしいなことはしていないと思うが、しかし、それでもさらに疑問が残る。

 徴収方法は
 1日本英文学会事務局が会費7000円を、関東支部会員費3000円を、それぞれ別個に徴収する。
 
【実はこれがベスト、めんどうなことがなくてよい。地方に納める税金と国に納める税金とを地方と国とがべつべつに徴収するのと同じ。この場合、会員は日本英文学会に直属すると同時に、各支部にも直属するという、二重の所属をすることになる。これは日本人は日本国民であると同時に各県や市町村に属するという二重、三重の所属をしているのと同じ。】


2関東支部が、日本英文学会会費7000円と関東支部会員費3000円、計1万円を徴収し、
 そのうち支部の会員が支払った日本英文学会会費(7000円)を、日本英文学会事務局に納める。
 
【これは実はけっこうやっかいなやり方だが、会員は支部だけに直属し、支部が日本英文学会事務局に上納金を支払うことになる。金の流れは、はっきりしている。】


 この二つの方法に対して、さらに日本英文学会事務局が、全国の会員の会費と支部会費を集め、各支部支部会費のほうを渡すという方法もあるが、これは実際には行われていないのではないか。あるいは行われているとしても、そのことについての説明がないのはなぜか。


 だが疑問は、もっと根本的なことに移る。結局、支部方式にすることで、各会員は、支部に直属することを強制されるのだが、それはいいとしても、同時に、支部費を払うことで、日本英文学会会費が実質的に値上げされることになる。支部所属と会費値上げが連動しているのだが、値上げする場合は、理由を会員に説明する義務があろう。それが支部方式にした、支部の費用がかかるというのでは、納得できない。
 
 この点、日本英文学会のやりかたは、きわめてずさんである。