『太陽』

メールありがとうございます。
以下の私のメールを、
いただいたメールとともに全員に転送してはどうでしょうか。


今回の映画『太陽』について海外での評判を一部調べてみました。
概ね高い評価を得られているようです。
ソクーロフは人気が高い。
また海外での評価のなかには
ヒトラーの最後の12日間』(防空壕物としても) と比べているものや、
庭師が神様扱いにされる映画だったと思うのですが、
Being There (ピーター・セラーズ主演)との比較もあったようです。
天皇をConstant Gardner扱いでしたが。


またマッカーサーをアイゼンハウワーと勘違いしているコメントもあったのですが、
(すべてのコメントが誤解しているということではありません)
ただそのコメントは、cigar kissに正しく触れていました。
またさらにそのコメントでは天皇の住まいが
東京の郊外の別荘のようなところと勘違いしていたようですが、
これは海外の観客には当然の誤解ですよね。
海外の人間なら、誰も東京大空襲のど真ん中に皇居があって、
空襲の影響がまったくなく、
防空壕もその上では空襲が続いているとは思わないでしょうね。
そこのところにも、それこそ丸山真男のいうような中心にある空虚というものを感じました。


また原爆について扱っていなかったのはテーマを絞るうえではよかったというようなコメントもあったのですが
天皇は映画のなかでは原爆に触れている)
海外では、どうも原爆は東京に落ちたのではないかと考えている人もいるのではないかと思いました。
ヒロシマナガサキが東京からかなり離れているとは思わないのでは。


チャップリンについての言及がほとんどないのは、不思議。
マッカーサー天皇をローレルとハーディのお笑いコンビに比較しているものもありましたが、その比較はちょっと変。
でも、のっぽとちびという道化コンビという見方はできるかもしれません。


ある日本人のコメンテイター(英語で書いている)は、マッカーサー役の
俳優はあきらかにロシア人だと書いていましたが、俳優の名前からし
どうみてもアメリカ人でしょう。
ただ映画のなかで、マッカーサーのイメージには不満もあったようです。


天皇の口の動きは、海外の人間には異様にうつったようですが、
「日本人の友人に聞いたら、天皇の口の動きは、
まったくそのとおりだというので納得した」という
海外のコメンテイターがいました。


全体に映像がモノクロに近いものがあって、それについては
賛否両論でした。
最後の映像は、皇居を中心とした東京の映像で、
あの周囲には空襲の焼け野原が広がっているはずですが、
あれを天皇が太陽として国民の前にあらわれるときの
楽園の世界のイメージとして考えている海外の観客もいました。
むしろ皇居のなかで天皇が考えている戦後の解放の世界と
周囲の現実とのずれがあの映像ではなかったかと思うのですが、
これは意見がわかれるでしょうね。


以下、私のコメントですが、
全体は限られた場所でのやり取りが多くて、
それは紙屋悦子の場合と同じで、演劇性が強く、
そこに緊迫感があって、私にとっては面白かったのですが、
眠ってしまうとは。
ただ全体に夢幻的というか、
天皇の頭のなかではすべてが夢あるいは悪夢として
意識されるので、
見ているほうも眠たくなるというのは
理由がないわけではないと思いました。


あと最後の場面もふくめて
天皇がいるために、ある意味で、皇居は空襲から守られてきたのですよね。
周囲の惨禍とは無関係に、日常が営まれている皇居の世界。
これはたまたま土曜日に最終兵器彼女のDVDを返してもらったこともあり、
ふと思ったのですが、
最終兵器彼女でも、彼女のおかげで、主人公のいる町が
守られていて、永遠の高校生活が続いているのですよね。
その原型は押井守監督のアニメ『ビューティフル・ドリーマー』
うる星やつらの長編アニメ版第二作)ですが、
そこからの連想で、天皇のおかげで
皇居は守られている、天皇こそが
最終兵器ではなかったのかと思うようになりました。
昭和天皇のことを、最終兵器Rと呼ぶことにします
(RはRexの略)。


最終兵器Rといえば、思い出すのは
最終兵器R15です。
今回の映画で、昭和天皇とR15との類似性を
思い浮かべました。
どちらも繭のようにくるまれた生活を送っていて、
お魚爆撃機にお魚爆弾を夢見ている、
あまり人付き合いが好きではなく、
洞察力のあることを言っているのに、
何を言っているのだかわからない。
かなり天然なのだけれど、
何が起こっているかは、
すべて正確に把握しているというのは、
昭和天皇にもR15にもあてはまることでしょう。


そういう意味でR15は、そろそろ
人間であることをやめて
神様宣言をしたほうがいいと思います。
神としての最終兵器R15に守ってもらいましょう。


なんちゅう結論じゃい。


ちなみに『太陽』は、
近くのシネコンで上演がはじまっています。
朝1番、12時から、夜の6時45分からの計3回の上演です。
あの人気をみたら、上演したくなりますよね。


もしチャンスがあれば、シネコンの大きな画面で、
地下鉄の音に煩わされない場所で
もう一度見てみたい気がします。
(銀座シネパトスでの上映も
防空壕的な映画館で、
地下鉄の音が入って
なかなか味がある上映ではあったのですが)


なおそのシネコンには『X-Men 3』を観にいく予定ですが
『太陽』のプログラムも売っているので、
もし買いそびれた人がいれば、
遠慮なく申し出てください。買っておきます。
1部1000円です。


今週の風説もどきです。

S木さんの職場の人には今回の映画会に
S木さんが参加したことを黙っていましょう。



子供の頃、親からもらった名前を拒否して
別の名前で呼ぶように言い張ったという人がいましたが、
そのエピソードと
その人の女性ホルモンが少ないことを考慮すると、
性同一障害を思い起こさせます。
たぶんイギリスから帰ってきたら、
男になっていると思います。
きゃ〜かっこいい。ファン・クラブに入れて。
性転換しなくともトランスジェンダー
がんばってください。


追伸
**様
桃井かおりの登場は、人間になったのだから、ふつうの夫婦と同じように、
なかよく暮らしいける、その意味があるのだとプログラムに
かいてありました。まあ、そういうことでしょうが、
でも映画のなかでは別に理由付けがあり、
焦点がぼけているような感じもしました。


2『東京フレンズ』で画家志望の女性役で出ていた小林麻央
TBSアナウンサー小林麻耶の妹です。
むかし、みのもんたが、小林麻耶の妹は
お姉さんよりはるかに綺麗だと言ってデビュー前に
話していましたが、大げさすぎますよね。

以上