働かない

私はアメリカの事情について詳しくないのだが、元プレイメイトアンナ・ニコル・スミスの急死(2月9日)を知ったとき、ああ、あの彼女が謎の死を遂げたのかと、驚いた。トム・ルッツ著『働かない』小澤英実・篠儀直子訳(青土社、2006*1)を読んでいたら、「最近テレビをさわがせたスラッカーのひとり」(スラッカーは怠け者の意味)として元プレイメイトのアンナ・ニコル・スミスが取り上げられ、彼女の文化イメージが、けっこう詳しく紹介し論じられていたからである。生前の彼女が、アメリカの文化、とくにメディアにおいて(彼女は『アンナ・ニコル・ショー』といった番組ももっていたことがわかる)、どのような位置にいて、どのような意味を担っていたのかがよくわかる。興味のある方は読んでみては。ちなみに前日の2月11日には朝日新聞の書評欄でもこの本は取り上げられていた。お勧めの本である。

*1:ちなみにこの本の訳者略歴のなかで大学院生の訳者の非常勤先が書かれていて興味深いものがあった。ふつう学生、あるいは院生の場合、いくらいろいろなバイトあるいは非常勤をしていても、それは書かないのだが。つまり非常勤先を書くのは、専任でもなく、学生でもない場合。その点で、この本はちょっと珍しい。