ガンプラ


メールありがとうございます。
贈り物をいただいてから、お礼の返事をと思っていましたところ、
メールで予告されているとおり、
本日、プラモデル(ガンプラ)一体、いただきました。


私は恥ずかしながらモデラーで、
エアブラシにいたるまで、道具一式をもっています。
で、私の専門はスケール・モデル(実物があるものを縮小したモデル)で、
ジャンルはヒコーキです。
まあヒコーキ・モデラーで、資料ももっています。
また資料がないときは買いに行きます。
とりわけ池袋(銀座にもあったかもしれませんが)にある西山洋書は、
よく行くところで、ほんとうに足の踏み場もないほど
本や冊子が置いてある店内で関係資料を探します。


で、そういうスケール・モデラーにとっては、
ガンプラは天敵です。
みたら踏んづけるというような
頑なモデラーもいるのですが、
私はそこまで頑固者ではありません。
事実、私の研究室にあるのは、デフォルメされて
寸詰まりになったガンプラなのですから。
まあ可愛いので作って置いてあるのですが。


ただし私はオジサンなのでガンダムは最初の1年戦争しか
知りません(アムロが活躍する第一シリーズです)。
その後、続編が出たり、派生した物語が出たりと、
いまどれだけ物語りがあるのか見当もつきません。


で、送っていただいたプラモデル。
Zガンダム・シリーズに登場するものですよね。
Zガンダム・シリーズは、話が急に複雑になって、結末も暗く、
なんだよくわからなくて、私もフォローするのをやめたのですが、
Zガンダムをきっかけにして、いろいろな物語が発展するのですよね。


で、送っていただいたもの。
これがなんであるのか、まったくわかりません。
そもそもこれが敵の兵器か味方の兵器かもわかりません。
(まあZガンダムシリーズは、敵味方がよくわからないのも特徴ですが)
もう、生まれてはじめてみるもので、笑っちゃうしかないものなのですが……
シャー専用ザクとかいう、1年戦争物のオーソドックスなガンプラしか
知らない私には、どうしてよいかわからないものです。


せっかくいただいておきながら、ブーたれてすみません。
しかし、生まれてはじめてみるものは貴重な贈り物です。
というのも、もし私の専門のヒコーキのプラモデルだったら、
たぶん資料を探すために、本を購入したり、ネットで映像を集めたりして、
さらに必要な塗料を探し、道具をそろえ、
作る前からああでもない、こうでもないと考え、
また作り始めれば、エネルギーを吸い取られ、
ストレスもたまり、
自分の腕の未熟さにいらだち、
結局、中途半端で終わって、
作りかけのものが押入れに片付けられてしまう
という運命が待っています。


最近、モデルを作っていません。
ヒコーキのプラモデルを一つ作るときに
要する時間とエネルギーで、論文一本書けると改めて痛感したからです。
ただ製品は買っていて、予約注文しているキットもあります。
ということで、もしヒコーキのプラモデルをいただいたりしていたら、
実は、ストレスがたまるだけで、病気の療養にもならないどころか、
下手をすれば病気が悪化したかもしれません。


その点、生まれてはじめてみるこのガンプラは、
なにも考えなくて組み立てられそうで、
けっこうよい気晴らしになりそうです。
最近のガンプラは、色分けされていて、
組み立てるだけでいいのですよね。
接着剤もいらないスナップタイトというやつです。
モデラーの腕のみせどころがないのですが、
もちろん、このガンプラも、あえて接着剤を使い、
接着面を消す処理をしたり、
プロポーションをいじったり、
丁寧に色を塗ったり、
ウェザリングを施したりしてもいいのですが、
そもそもアニメでこれが動くところを観ていないので、
どうゆう感じの色使いかすら皆目わからず、
そうした作業をするストレスからは解放されます。


プラモデルをつくっていて、スランプに陥ったら、
自分の得意分野ではない、なにも知らない分野のモデルを
ただ説明書どおりにストレートに組み立てれば、
忘れていていた組立てモデルの楽しさと喜びを
回復できるとどこかに書いてあったように思います。


そういう意味で、
なんの予備知識もなく、ただサクサク組み立てることができるモデルは、
病人にとっては、最高のレクリエーションです。
その意味で、ありがたくいただきます。最高の贈り物でした。


なお病気の件は、秘密でもなんでもなく、研究室には報告し、
英文学関係の院生には伝わっていると思いますが、
もし心当たりがあれば、どうぞ伝えていただいてかまいません。


それではまた。