退院 Day 8

退院 Day 8


(火曜日)


朝の通常の回診のとき、へその下の傷口の抜糸を行なった。特に痛くもなんともない。ひと針かふた針縫っただけであった。


その後、退院のため妹が来た。あと事務員が病室に来て、退院の手続きを説明してくれた。妹は、事務員の説明がよくわからないという。前回3月の入院のとき、退院日には、事務員がこれから手続きをするようにと病室に伝えにきた。それを待っていればと私は言う。その間、看護師か来て、退院後のこと、退院後の通院について確認をする。退院手続きについて聞くと、どうぞしてくださいと看護師がいう。そこで妹は、とにかく事務室で退院手続きをしてくるという。


実は、入院するとき、保険証を忘れた。診察券はもっているのだが、保険証を家に忘れてきた。ひょっとしたらどこかに失くした可能性もあるが、とにかく手元にないので、そのことも事務室に伝えなければいけない。手続きを終えて返ってきた妹は、保険証は、2日後に通院してきたときに見せてもらえばいいということだった。


さて、そうなればあとは退院である。その前に、外来で診察中の主治医のところへ行って説明を受けるように言われたので、外来患者でごったがえす1階に行って、主治医の説明を聞く。


午前11時過ぎだった。病院のロビーにある公衆電話でタクシーを頼む。玄関で待っているとほどなくタクシーが。行き先をつげると、老齢のタクシーの運転手が、自分の手術体験を話す。あまりこちらの病状とは関係なかったが、まあ話好きなのだろう。ほどなく到着。11時30分には、久しぶりの我が家に帰る。


その後、昼食に、駅まで出る。タクシーで駅まで行った。駅で、食事をして妹と別れることになったが、ファミレスも含め、駅周辺のレストランはどこも人でごったがえしていた。そこで居酒屋で、ランチを出しているところを探して、そこで食事。私としては、手術後食事制限もなくなったので、天ぷらうどんという、超油濃いものを試してみる。とくに何事もない。午後1時過ぎに、駅で妹と別れる。


帰ってからは、家のなかの後片付けをして、夕方には近くのスーパーに買い物に行った。実際には、退院直後で、あたまがぼうっとしているのだが、なんとか日常生活はできそうだとわかる。


入院中は、背中が痛かった。やはり心臓マッサージの後遺症なのかと思った。骨が痛いのか、筋肉痛なのか、仰向けに寝ていると、背中の一部が確かに痛い。退院するまで、痛みは完全に直らなかった。


自宅でベッドに横たわる。仰向けになる。べつに高級なベッドに寝ているわけではないのだが、病院のベッドは、やはり固いのではないかと思う(まあ、固いベッドのほうが健康的なのだろうが)。自分の家でベッドに寝ると背中の痛みがまったく感じられない。これからまた慣れ親しんだ、不健康な生活が始まると実感した。