ボケキャラ


昨日、前期最後の授業で、英文学史の試験をした。


私は試験はあまり好まないのだが、文学史のだけは試験をすることになっているので、ない知恵をしぼって問題を出した。私の試験問題の特徴は、文学者の肖像なり写真を出してこれは誰かと答えさせるものである。


使っている教科書(私が選んだのではない)は、かなり高度な教科書で、図版は、ほとんどない。地図もない。肖像の類はまったくない。そこで補助教材として肖像のわかるものをプリントして配っている。そこから問題を出すのだが、昨年、問題を出したら、これが異様に出来が悪い。それ以外の問題は満点近い学生が、肖像画となると、Shakespeareくらいしかわからなくて、頭をかかえた。もちろん、著名な文学者の肖像画なり写真しか問題に出さないし、それは持ち込み可の試験にもかかわらず、T.S.エリオットの顔ぐらい、ディケンズの顔くらい、わかれよ。


それはともかく、今回、試験が終わったあと、学生が質問に来た。


10月の開講日はいつからか、と。


質問自体は、べつに問題ない。開講日は気になるからだ。開講日一覧表が掲示される前に、知りたいと思っても当然である。


しかし、ね、この英文学史の授業、後期の担当は**先生だから、私に聞いても答えられないというと、学生は驚いている。前期と後期の担当が違うことを、初めて知ったらしい。


もちろん、これは私の説明不足あるいは説明下手に原因があるかもしれなくて、私が反省すべきことかもしれないが、しかし授業内容にもこのことははっきりと書かれていて、二人の教員が授業内容(担当範囲)を、明確に記しているにもかかわらず、また前期を英文学史Ⅰ、後期を英文学史Ⅱと、区別をしているのに、なぜそれがわからない。


この猛暑というか酷暑ボケかい。


そういえばOEDで単語を調べてくるようにといったら、明らかにふつうの英語辞典でしか定義を調べてこない学生がいて、手抜きか、いんちきかと思ったらそうではなくて、OEDとODEと間違えたらしい。あほかい。もちろん、これも私の説明がまずかったということかもしれないが、他の学生はそういうことはないのだから、ボケている学生はいつの時代にも、どこにでもいるのかもしれない。


実は、私自身、そうしたボケ学生だったので、その時、教師がどう思っていたのかと思うと、ちょっとぞっとする。ほんとうに寒気がする。