ダイ日本人

****様
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昨年暮れの29日、松本人志監督・主演の『大日本人』のDVDを見たのですが、いやあ、松本人志、ほんとうに天才ですね。驚きました。面白くないのではとか、私の嫌いな低血圧というかノーテンションのコメディではないかと心配したのですが、いや、面白いです。笑える。すごいという言葉しか思いつかない。映画館でみておけばよかったと後悔しています。


巨大化して怪獣(映画の中では「獣」と呼ばれる)と戦うというのは、ゴジラとかウルトラマン以降、日本の庶民文化に根付いた幻想なのでしょうが、いまやそれは、ほんとうは浅い歴史しかないにもかかわらず、土着的な民俗芸能のようなかたちで、あたかも戦前か、明治以降、いや江戸時代から存在していたように錯覚してしまうほど、日本人の想像力と骨がらみなっているという発想は素晴らしいとしかいえません。


超リアルなものが日本人のジャンク・イマジネーション(まあ、こんな言葉はないでしょうが、いやあるのかな)となっているというリアル感。しかも、いまやそれが伝統芸能のように、忘れ去られようとしているという設定から、大日本人は、古きよき日本の芸人のようにもみえてきて、日本の芸能史、それも特撮とCGで描かれる芸能史という点も興味深いものでした(天皇制文化とのからみもありますよね)。


もちろん最後はどうかとは思います。実写になってからの結末までのシークエンス。


しかし、あれもああいうかたちで納めるしか、松本の天才性の暴走をくいとめられなかったのではとしか思えないので、もう許すしかありません。


まあそれはともかく


大日本人に変身する前の大佐藤が、自分の家でインタヴューを受けているとき、家と言っても、こぎれいにしているものの豪邸ではなく、庶民の小さなせせこましい一軒屋なのですが、その畳の間というか居間の片隅に、ありました。ダイソンが。


年末につよくすすめられたダイソンですが、まあ、いつか気が向いたら買うかもしれないと、右の耳から左の耳へと聞き流していたのですが、他人がもっていると、なんだか欲しくなる。私よりも先に、***さんが買ってから、その性能というか評判をたしかめてから、買うというか、とにかく誰か、複数の人が所有してからなら、思い切ってもいいかなと考えているのですが、ただ、大日本人の大佐藤(松本人志)がもっていたので、欲しくなりました。


もちろん、『大日本人』のダイソンは、細かいギャグで、そんな大きいな家でもないのに、そんな高性能の掃除機を使っているという点で、ある種の見栄っ張りかもしれないが、それ以上に、たとえボロ屋でも小さなゴミも見逃さない、几帳面で小奇麗な日本人の性格(まあ日本人に多いA型性格)を揶揄というか、律儀に反映しようとしてるのかもしれません。小さな一軒屋にダイソン。それが「にっぽんじんだよ、大日本人(だいにっぽんじんだ)よ」と訴えかけているのかもしれません。


でも、大日本人でもない私でも、欲しくなりました。


購入を検討してみたいと思います。***さんが先に購入する可能性が大きいのですが、そのときは、感想を是非聞かせてください。


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本日は、卒論締め切り日前日で、朝から卒論のファイルをみていて、かなり疲れました。七草粥も食べる暇がないというよりも、七草粥しか食べられなかったという一日でした。


ダイソンのある生活を夢見て。