油地獄


昨年、病気になって、油とか脂肪というのが嫌いになった。いや敵視するようになった。もちろん油物はカロリーが高くて、健康によくないことはわかっていたが、そのために結局は手術をするはめになったし、油物は摂ってはいけないといわれ、ずっと注意していたので、食事制限がなくなった今も、油物は控えるようにしている。


昨年、病気をしてわかったのは、ここでも何度も書いてきたように、今の日本に、油物が溢れていることだろう。テレビのグルメ番組でも紹介されるのは油を使った料理ばかりだし、料理番組では、油を使わない料理はないといっていい。いったい、どういう陰謀なのか。食用油業界の陰謀とは思えないのだが、油をとりすぎる油中毒になる。


いまもテレビでラーメン新戦略ということで、人気ラーメン店のラーメンと店主の仕事ぶり(けっこう苦しい台所事情など)をドキュメンタリとして紹介している(深夜1時25分からのドキュメント・ナウ、TBS 30分番組)。最近はけっこうつけ麺が流行っているらしいこともわかるのだが、それにしても、つけ麺であれ、ふつうのラーメンであれ、油を使いすぎて、もう、脂ぎったスープはヘドロ状態になっている。東京湾からはヘドロがなくったのかもしれないが、こんなところにヘドロが残っていたとは。


その店に行列ができる。こんなヘドロ・ラーメンを出しているラーメン店は、はっきりいって、このままでは日本人の庶民の健康を損なうこと、まちがいなくて、100年後の子孫に言い訳できるか。いや、100年後が、あろうはずもない。いずれ格差社会先進国のアメリカみたいに、脂肪分とりすぎて驚くほど肥満した日本人の庶民があふかえるだろう。彼らはは、高額医療費を払えそうもないから病院をたらいまわしされて断られつづけ、生ゴミのように捨てられていくのだろう。そんな哀れな庶民の姿をみて、日本人の高額所得者も手を差し伸べてくれる? そんなはずもない。資産家は異様にケチだということもあるが、そもそも高額所得者など、日本では、みんな外国人になっているだろう。


ヘドロ・ラーメンは、そんな地獄の先触れかもしれない。それにしても、ヘドロ・ラーメン。まだダンボール肉まんのほうが健康的だぞ。