Dark Matter 3

4支部物語


私の意見は、私が所属している団体や機関の意見を代表するものではなく、あくまでも私個人のものである。Dark Matterとは宇宙の暗黒物質のことである。私の子供の頃には存在しなかったものだが、近年、話題になった。テレビでもとりあげられるようになった。現在の宇宙論は、宇宙を紐だとか膜だとか考えていて、もう私には完全にお手上げなのだが、暗黒物質の議論はわかる。もちろんこれは「暗い議題」ではないかと思うかもしれないが、それも若干意識している。しかし、この連載が終わる頃には、この暗黒物質と暗い話題が結びつくことがわかっていただけることと思う。連載第1回は1月4日、第2回は1月13日


事実誤認は覚悟のうえという言い方をやめて、シミュレーションだからと言い換えたいのだが、4支部の話のつづき。


4支部にとって、英文学会との関係をどうするかは、ひとつの課題であったような気がする。もちろん、これはシミュレーションなので、実際にどうだったかはべつだが、英文学会のとの関係では、おそらく、もっと食い込んで、その重要な一部として活動するか、もしくは英文学会とは距離を置き、独自の活動を展開するか、そのふたつの意見があったとしてもおかしくない。


どちらも理解できる。英文学会からお金をもらっているわけではなく、会費は自分たちで徴収したものだから、独自の活動をしてもいいが、同時に、支部会員の全員ではなくても、多くが、ほとんどが英文学会の会員であり、その研究活動、研究発表は、支部のある地方限定とはいえ、英文学会の活動と同じだし、英文学会の活動の一部として認められてもおかしくなく、英文学会と緊密な連携のもと、時には、その運営に参加、協力してもよいと考える支部もしくは支部会員がいてもおかしくない。


支部という名称を最大限いかした活動をしたいという支部もあれば、逆に、支部というのが邪魔な名称と思う支部があってもおかしくない。そうした支部では、独自に会費を徴収しているのだから、英文学会にはない、分野を支部のなかに設け、英文学会会員ではない人も受け入れ、英文学会とは一線を画した活動をしていきたいと考えるかもしれない。


具体的にそういう動きがあったかどうかは知らない。あくまでもシミュレーションである。


やがて4支部にとって幸か不幸か、英文学会に支部代表を送ることとなった。英文学会の下部組織という位置づけになったのである。


しかし、その時は、4支部と、そうでない支部をもたない地区とに分かれ、4支部だけが代表を送り、支部のないところでは代表を出していないというのは、なんともおかしな話ではないだろうか。文科省から、これはおかしい。4支部しかないではないか。日本全国を網羅していないのではという、指摘を受けたらしいのだが、文科省でなくても、4支部が代表を出すというのは、おかしいことはわかる。


仮に東北、関東、関西地区に英文学会員が一人もいなかったら、4支部だけで、日本全国の会員を網羅することになるのだが、そうでないのだから、なんともおかしな話である。


なぜ、そんな馬鹿なことをしたのか、私にはわからない。ただ、なにか意図なり配慮があったのではなとも想像できる。それは評議員会あるいは代表者会議に、いろいろなかたちの代表者を入れるという意図ではなかったのだろうか。


え、そんな?と思われるかもしれない。国政レベルで、地方区と比例代表区があるように、すでにある何らかの代表制度のうえに、それに重なるかもしれないものの、べつの選定基準のもとで、代表を選ぶというような、また代表者は、ある程度、多様なほうがいいとか、そんな気持ちが働いたのかもしれない。これは全くの想像だが、代表者を出したいという支部の意向もあったのかもしれない。


しかし、それにしても、いい加減なと思われるかもしれない。文科省は馬鹿ではないから、4支部代表はおかしいと気づくはずなのに、4支部代表を作った。なぜか。それは評議員制度、代表制度が、きわめて不備の多い、不公平なもので、もともと整備されていなかったからである。ことは評議員制度にまで遡る。To Be Continued.