闇金謝礼2


続報である。

横浜市立大学の嶋田紘医学部長(64)の医学博士号をめぐる謝礼金授受問題に絡み、医学部と大学院医学研究科の全体を調査するために設置された「学内現状検討委員会」の委員のうち少なくとも2人の医学部教授について、学位取得者が「現金を渡した」と話していることが21日、複数の関係者の話で分かった。うち1人は嶋田学部長の後任に決まった教授とされる。一方、2人はいずれも授受を否定している。
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複数の関係者によると、2人は新年度から医学部長になる医学部の泌尿器科学教授(59)と、別の同学部教授(57)。嶋田医学部長が教授を務める消化器病態外科(旧第二外科)の学位取得者が関係者に対し、2人が博士号審査に関与した01〜05年度の間、各10万円を渡して教授側は受け取ったと話しているという。
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横浜市大をめぐっては、嶋田学部長の問題を調べるコンプライアンス推進委員会の委員だった東京大学大学院教授(53)の謝礼金授受問題も明らかになっている。
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東京大学大学院の教授が、横浜市大に勤務していた際、同様に謝礼金を受け取っていた疑いがあることが18日、複数の関係者の話で分かった。「少なくとも4人から計40万円の謝礼を受け取っていた」という。この教授は朝日新聞の取材に対し「個別の取材には応じかねます」とコメントした。

一連の謝礼金問題の続報をみてみると、横浜市大では、どうやらこれまでずっと謝礼金の慣行がつづいていたらしい。それも審査の複数の教授に10万円を払っていたようだ。彼らは、後払いだから謝礼であり、賄賂ではないと言い張るつもりだったのだろうが、後払いでも、もしそれを払わなかったら、将来、不利益をこうむることは目に見えているため、結局、賄賂と同じなのである。また謝礼金は医局や口座への寄附金だというのなら、そのように明確に扱えばいいのだし、また学位取得者が、いくら善意でも、寄附金を医局に差し出すのは、好ましくないとして拒否すべきものだった。


また問題は東大にも飛び火しているようだが、これは横浜市大の教授が、東大に移ったからということで、東大医学部全体がそうなっているということではない。ということなのだろう。


ここから先は、わからないが、可能性としては


1)横浜市大だけに、悪い慣行があった。→それは嘘だろう。


2)全国の医学部で、博士号取得の謝礼金制度が過去には存在していた。→その可能性は高い。


3)謝礼金制度は、過去に存在していたが、現在では、一部の横浜市大など悪辣な大学を除いて存在していはない。→この可能性はある。だが横浜市大の問題は、愛知県の大学で発覚した謝礼金の後にすぐに報じられたもので、横浜市大ひとつだけの問題ではないだろうが。つまり、いまも謝礼金の慣行が残っている大学は多いだろう。またいうまでもなく、過去にはもっと多かった、あるいはほぼすべての大学医学部で、そのような慣行がまかりとおっていた。


礼金制度があったからといって、医学あるいは医療の質が悪化したとか、向上したということはないだろう。ただ私は、医学関係者に望む――「恥を知れ」と。一般人には、医学関係者とりわけ金を受け取った側が、こうも汚い連中なのかということを、しっかり把握しておくことであろう。どうせ医学関係者に自浄努力などできないだろうから。彼らは汚いままなのだろうから。


そしてもうひとつ、ことは医学部にだけに留まらない。理化系の大学院・学部で、博士論文にまつまる謝礼金の慣行があるのではないかと疑えるのだ。内部告発を望む。