ニュース 二題

昼間にテレビでニュースを見ていた驚いた事件がふたつあった。

以下は、ネット上にあった、そのニュースの記事から引用すると


その一

ビニール傘飛んで目を直撃、高2重体 2008年04月19日13時19分


私立桐蔭学園高校横浜市青葉区鉄町)は19日、同校2年の男子生徒(16)の目にビニール傘が直撃し、意識不明になった、と発表した。

同校によると、18日午後3時50分ごろ、北棟の教室の端で、同じクラスの男子生徒(16)がビニール傘で素振りのまねをしていたところ、傘の柄を残して本体が5〜6メートル飛び、教室の中央にいた男子生徒の左目にあたったという。本体は半回転し、柄から抜け出た側が目に刺さって大量に出血。生徒は病院に運ばれたが、脳挫傷などで意識不明となっているという。(assahicomより)

痛ましいニュースで、怪我をした高校生の無事を祈ることしかできない。何が起こったのか、はっきりしたことはわからないが、事故というよりも意図的なものがあった可能性もある。だが、おそらく事故だろう。実は、私も同じ被害にあったことがあるからだ。


小学生の頃か、中学生の頃か、定かでないのだが、その日は曇り空で、生徒の一人が、校門近くで、折り畳み傘を延ばして、バットの素振りのまねをしていた。私はその生徒(クラスメイトだったが)とは、かなり離れた距離に立っていたのだが、その折り畳み傘の上半分がすっぽ抜けて、私の方に飛んできて、私の側頭部を直撃した。


これが私を狙った意図的なものだったのかどうか定かではないのだが、その生徒はクラスメイトで知り合いで、特に仲が悪いということもなかったし、いじめたり、いじめられたりという関係でもなかったので、事故と考えるのが妥当だと今でも思っている。


びっくしたその生徒は、私のところへ飛んできて、大丈夫かと聞いた。私はいきなり傘が私の後方から直撃してきたので驚いたが、痛みは一瞬で消えたので、側頭部を押さえて、全然、大丈夫と答えた。実際に、それで頭がくらくらするとか、激痛に耐えられないということはなかった。そんなにひどい打撃ではなかったようだ。


そのとき、曇り空だったので、おや、雨が降ってきたのかしらと私は空を見上げた。そうしたら周囲の生徒たちの雰囲気が変わった。私は頭にふりかかる雨の雫を確かめるために頭頂部に手を当てた、その手のひらが血糊で真っ赤になった。私は側頭部から大量に出血しはじめていたのだ。


頭部には毛細血管が集中しているので、小さな傷でも大量に出血する。実際に、私の傷は、たいしたことなく、縫うまでもないものだったが、出血はおびただしかった。でも、まあ、それくらいですんでよかった。傷がたいしたことがなかったので、恨んだりくやしい思いもすることはなく、むしろ大量出血で周囲を驚かせたということが子供の時には、誇らしいものだったが、傷が重かったらと思うと、いまになるとぞっとする(関東支部にはとっては、残念なことだったかもしれないが)。


傘の素振りは、絶対にやめたほうがいい。折りたたみ傘であれ、ふうつの傘であれ、あれは遠心力ですっぽ抜けることがあるのだ。それが飛んで周囲の人間に当たったら、取り返しのつかないことにもなる。傘の素振りは絶対にやめたほうがいい。


その二

戦闘機がオーバーラン 燃料漏れる 米軍嘉手納基地 2008.4.19 20:08


19日午前、沖縄県の米軍嘉手納基地で、米民間会社が所有する戦闘機MK58ホーカーハンターが着陸時にオーバーランし、滑走路脇の緑地帯で停止するトラブルがあった。


同基地報道部によると、ブレーキの不具合が原因とみられる。けが人がいたかは不明だが、機体に損傷はない。燃料が20リットルほど漏れたが、大半は回収された。


同機は米海軍との契約で、「標的役」になるなど訓練支援をしている。主に米軍厚木基地(神奈川県)を拠点に活動している。(産経ニュースより)

私は、これをテレビのニュースで聞いた。最初は、音声だけを聞いていたので、私は、心の中で、いまいましい思いを噛み締めた。だいたいホーカーハンターがいまどき飛んでいるわけないだろう。テレビ局も、いくら航空機関係に無知だからといって、なにをどこでどうまちがえたのかと唖然とした*1。沖縄で、ホーカーハンターはないだろう。そしておもむろにテレビ画面を見た私は愕然とした。そこ沖縄の基地で、オーヴァーランしてから、運ばれるホーカーハンターが映し出されてたからだ。ホーカーハンター!?


熱心なヒコーキ・ファンだったら、すでに知っていることだったのかもしれないが、私にとって初耳だったので、これには驚いた。その衝撃は、どういうものかといえば、それこそUFOを鮮明なかたちで目の前で見たような衝撃といえば、わかってもらえるだろうか。


ホーカーハンターというのは1951年開発され、56年に実戦配備されたイギリスの戦闘機である。マッハ1を超える最高速度の戦闘機が登場する直前の機体で、最高速度は亜音速域を出ない(実際に最高速度で飛び回ることはないから、高速戦闘機ではない)。超音速の戦闘機が出現してからは、その運動性のよさと搭載量の大きさを変われて地上攻撃となってイギリスのみならず各国で運用された。中翼の翼と胴体とが接するところにある三角形の空気取り入れ口が特徴といえて、全体になだからな曲線で構成された、けっこう優雅な形の航空機である。


私は子供の頃、ホーカーハンターのプラモデルを造ったことがある。とはいえ現在のプラモデルとは比べ物にならないおもちゃぽいものだったが、その形体はよく覚えている。今年に入ってからも、レヴェルの1/72のモデルが日本にも入荷している(べつに好きな飛行でもなんでもないので購入はしていない)。ただ私が子供の頃、ホーカーハンターのプラモデルを作った頃にも、それは古くなり始めていたイギリスの飛行機で、60年代に完全に第一線を退いた(最終的には70年代まで運用されたらしいのだが)。ということは、60年代に役目を終えた、イギリスの飛行機である。タイムスリップ現象でも起こさない限り、まず現在にはあらわれない。しかもイギリスやヨーロッパの飛行機である。物質転送でもないかぎり、日本の空を飛ぶことはない。それが現在、日本の空を飛んでいるというのは、まさにSFの世界である。UFOを目撃したような衝撃というのは、正直な感想なのだ。


あとはニュースのとおり。厚着基地を本拠地にしているとのこと。ネット上にはYou Tubeに厚着基地近辺で撮影された飛行中のホーカーハンターの動画がある。また、2機のF18と編隊飛行をしているホーカーハンターの映像もあって、アメリカ海軍の最新鋭機と50年代のイギリスの戦闘機が同じ速度で飛行しているのは(低高度のフライパスだからそれも不可能ではないだろうが)、やはりシュールとしかいいようがない。


ちなみにテレビのニュースでもMK58ホーカーハンターと表記していたが、MKはタクシー会社の名前でも、メーカーの名前もなく、Mark(型)の略だからホーカーハンターMk58表記すべきであろう。

*1:ニュースを読むと、漏れた燃料20リットルの大半を回収したとある。雑巾でしぼりとったのか?ちょっと変なところもある。