英文学会新体制案6

支部とは何か。

現在の支部は、それぞれいろいろな問題をかかえている。構造的な問題として、支部活動の範囲が、英文学会の活動の範囲と同じならば問題ないが、そうではない場合もある。


ひとつは英文学会の活動よりも、支部活動の範囲が狭い場合。たとえば英文学会は英米文学、英語学、英語教育などの分野からなるが、かりにある支部には英語学の会員しかいないとしよう。


現行の新体制案では、こうしたときには、英語学中心の支部を、三分野あるいは四分野のメンバー全員を受け入れるよう、支部の規模というか間口を広げてもらうようにお願いするしかない。こういう場合、昔からの支部のメンバーは、嫌がるかもしれないが、方法としては不可能なことではない。


ところが支部活動の範囲が、英文学会の活動の範囲よりも広い場合は、どうか。たとえば日本文学とか比較文学といった、現在の英文学会の活動範囲を超えた分野のメンバーも数多くかかえる支部の場合、そうしたメンバーに英文学会費まで払えということはできない。となると、支部には、英文学会会員と支部会員のみの会員の二種類いることになる。会費の徴収も1万円払う会員と、3000円払う会員の二種類がいることになる。


もし各支部の会計を英文学会で管理するとしたら(一元管理は、文科省が要求するところである)、英文学会会員以外のお金も管理することになる。逆に言うと、こういう支部の会計管理を英文学会としてはできないことになる。


現在の新体制移行案では、この問題を解決できない。しかし、そうした支部を、あくまでも任意団体であるいというように位置づければ、問題は解決する。任意団体の会計は英文学会で管理はしない。そして、この任意団体は、昔からの比較文学研究も含めた研究活動や支部活動を心おきなくすればいいのである。なんとすばらしい。


ただ、支部がどう考えているかは、わからない部分、支部によって考え方が異なる場合がある。ひとつは、これまでどおり、伝統のある仲良しクラブというかたち支部活動をつづけたいという気持ちの支部があるかもしれない。またいっぽうで、そういう支部ではなく、英文学会を支える基盤として活動したいと考える支部もいるかもしれない。このふたつ方向をどう考えるか。

つづく