ハデス

Men in Black


本日、朝6時に起床。体調不良のまま8時30分の新幹線で、名古屋へ。葬儀に出席のため。


急逝の知らせに驚いた。58歳の若さで亡くなられたのもショックだったし、先月、下旬には広島の学会でお話したばかりだった。予期せぬことばかりだったが、予想通りのこともあった。そう、善人は早死にする。やはりもっとも優れた人格者であった人が先に行く。あとに残されたのは、私も含めというか、私がまさに代表例だが、ろくでもないやつばかりだ。


自分の周りのことを考えても、生き残っているのは、悪人とまでは言わないが、善人では絶対にない。そういう意味で、惜しい人を亡くしたような気がするし、惜しい人しか亡くならないこの世は、どうかしている。


100メートル道路(今はそう言わないのかもしれないが)に面した葬儀場。浩養園(ビヤガーデン)の隣にある。浩養園は、私が高校生の頃、バスの帰り道にあった。私が高校生の頃は、まだ100メートル道路の両側の歩道から、むこうが見渡せたが、いまは広大な中央分離帯は、公園になり駐車場になり、そこに高架の高速道路ができてしまい、まったく様変わりしてしまった。ずいぶん前からのことかもしれないが。


名古屋駅の昼過ぎ、名古屋人、外食しすぎ、どこのレストランもすぐに入れない。待っている人が多い。たんなる旅行客というのは少なくて、遊びに来ている人たちが多いのだろう。


そういえば、昨日から、かつての有楽町線新線池袋駅が、副都心線池袋駅にかわってから、知らない階段ができただけでなく、急に乗降客が増えた。増えすぎ。かつの閑散とした駅の面影はまったくない。


にぎやかな日曜日の都会を喪服を着て歩く。葬儀には二人で参列したので、Men in Blackだと連れに言われたが(同名の映画参照)。分かれてからは一人で喪服で街中を歩くことになった。にぎやかな街角を喪服で? ハムレット? そもそもハムレットという柄でもないし、ハムレットの喪服は、いわゆる現代の喪服とは異なるだろうし、私はハムレットほど若くない。同じくらい太っているのかどうかはわからない。


そうか、この既視感、街中を喪服で歩く中年男。そうか、レオポルド・ブルームか。それならわかる。レオポルド・ブルームのように心の中は変態だし。そういえば明日はブルームズ・デイだ。