愚かさに国境はない:バカ見出し


これは悪意があるのか、ただのバカなのかよくわからないが、いまネット上で、こういうニュースが流れている。

<世界の腐敗国家>中国73位・日本13位

2008年6月29日、ドイツのベルリンに本部を置く非政府組織(NGO)「トランスパレンシー・インターナショナル(TI)」が1年ごとに発表する、世界の「腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index、略称CPI)」が25日に公開された。 世界180か国の汚職の実態を評価したこの調査で、中国は73位にランクされた。


「最も清廉な国家」としてトップ5を飾ったのは、デンマークフィンランドニュージーランドシンガポールスウェーデンの5か国。また、「最も腐敗した国家」として最下位となったのはミャンマーソマリアだった。


中国は昨年の72位から順位を1位落としてのランクイン。また、その他のアジア各国では日本が13位、インドが74位、スリランカが96位、モルディブが90位、イランが133位、リビアが134位、ネパールが135位、パキスタンが140位、アジア地区で最下位だったのがロシアで、145位という結果だった。(翻訳・編集/愛玉)

China Record配信のニュースだから中国が中心になっているが、問題は、このニュースの見出し。あほか、といってやりたい。このニュース、もっと短く紹介されるているときには、「世界の腐敗国家、日本13位」


これを見たとき、やはりそうか、接待タクシーの件もあり、日本の官僚機構の腐敗も世界的に知れわたって、13位になったのかと、ちょっとなさけない気がしたが、長い見出しをみると、世界の腐敗国家のうち、日本13位、中国73位、え、それはないだろう。どうみても中国のほうが腐敗しているのに、日本が中国を抜いて、腐敗度が高い?


本文を読めばわかるのだが、順位は、清廉度。つまり清廉度で日本が13位、中国73位ということ。見出しのつけ方がまちがっている。はっきりいって訂正しろ、このバカタレ。ひょっとして、意図的なのか。繰りかえすが、見出しだけみると、日本のほうが中国よりも腐敗が進んでいるようにみえる。そんなわけないでしょう。


なお内容について、シンガポールがアジアでは清廉度が高いのは、国の見かけだけが清潔だからじゃないのか。役所に、ごみひとつ落ちていないからといって、そこに腐敗がないと考えるのはおかしい。中国の73位というのは、よくわからないが。日本13位というのは、すこしほめすぎ。日本の場合、腐敗が個人によるものではなく、組織がらみ、構造的になっているので見えにくいということもあるのかもしれない。日本も中国並みに下げたほうがいい。