永遠と一日通信2


1)修士論文通信


12月10日、私の指導学生は全員、修士論文を提出しました。


2年で修士論文を書こうとしている人は、あと1年ということで、気を引き締めて本格的な準備に入ってください。まあ2年目を目指して、だめなら3年目というのが妥当なかもしれません。


私は修士論文の文献(引用文献Works Citedです。参照文献ではありませ)は作品を含めてもいいので(できれば作品は別にカウントして)文献100点(論文1点、単行本の1章でも1点とします)をめざすように指示しています。これは過大な要求かもしれませんが、シェイクスピア関連の研究文献は多いので100点というのは不可能な数ではありません。


もちろん分野によっては100点ないものあるので、それはしかたがないのですが。また英国小説とか英国詩、米文学ではどういうふうに考えているかわかりませんが、シェイクスピア関連では、100点という原則は守ってもらっています。


またさらに100点を超えて、200点にまで行きそうな学生もいるのですが、その時は、逆に100点を越えるくらいのところで抑えてもらうこともあります。そこまですると過大な時間と労力が必要となり、完成しなくなったりするので、ある程度は抑えてもらうわけです。


実際に修士論文を書くときに必要なのは、それこそ10点くらいの文献かもしれませんし、内容なり主張が独創的であればあるほど、役に立つ文献の数は限られてくると思います。しかし、そこをあえて文献100点とすることで、特に関係ない文献とか、誰もが引用したりする文献なども読み、自分の論文のなかで引用することになるので、視野が広がり、自分の研究対象に関する、研究史なり批評史を把握することができるからです。また、そうした多数の文献のなかで独創的なことはたくさんはいえませんが、しかしひとつでも言えれば、それはすばらしいことになります。また自分の主張を100点の文献のなかで検証するので、バランスの取れた議論にもなります。


それにここだけの話ですが、文献100点を超えていれば、内容とか本論の議論に不備があったり、議論を理解してもらえなくても、リサーチをしたとことは、圧倒的な強みなので、進学希望の時には有利に働きます。この修士論文は、英語も下手で、内容も凡庸だけれども、これだけの本をリサーチして引用していれば、絶対に何かをつかんでいるし、また何かをつかめる素養もありそうだから、将来、いろいろなことができるのではないか、将来に期待ができると、まあ好意的に受け止められるのです。


逆に、鋭いことを突くような、またソフィスティケートされた論文でも、リサーチが不十分だと、この人はこれだけの人、一発屋だろうとか、これから先伸び悩むだろうと批判的受け止められる可能性がけっこう多いのです。


もちろん、そうしたこと以上に、論文準備の際に、文献100点以上をリサーチすることは、それだけで重要なことであるのはいうまでもありません。


今年もそうですが、毎年、他大学から博士課程を受験しようとして、修士論文を提出してきます。文献表をみるかぎり、修士論文でも、文献がたったこれだけと唖然とする少なさで、貧弱なことこのうえないものがあります。もちろんだからといって、自動的に却下されることはなく、内容も厳正に審査するのですが、ぱっと見、やはり文献が多いと、これはすごいと圧倒されることは事実でしょう。


今回提出した二人も、一人は文献80点を引用、もう一人は文献100点以上を引用しています。扱う対象とか分野とか作品によって、100点も文献を集めたり読めない場合があるので、100点は絶対の基準ではないのですが、著名なシェイクスピア作品の研究論文を作成する場合には、引用文献100点を要求し、みんなそれに応えて優れた修士論文を書いてくれています。今年、提出したあと一人は……、文献が、え、あ、その、まあ…… ××××××××


2)妖精通信


妖精が、みんな全裸であるグリーナウェイの『テンペスト』映画、『プロスペローの本』は、画質が悪くなっているかもしれませんが、私が字幕付きのかたちで、ダビングしたビデオを、部分的に見ます。DVDは残念ながら、出ていないようです。まあ、出ていても、日本版はぼかしだらけになる可能性はありますが。


『プロスペローの本』の台詞は、テンペストの台詞と同じなので、字幕はなくてもいいかもしれませんが、また字幕つきでダビングしたビデオの劣化が進んでいる可能性がありますから、見づらいかもしれませんが、まあ参考までに。


警告としては、子供のチンポコは可愛いのですが、じいさんのチンポコは可愛くないです。【そろそろセクハラですよ】


3)イベリコ豚通信


**日午後5時45分に集合ということでよかったのですね。まちがっていたら至急、連絡して訂正してください。一応、参加者は5人で、参加できなくなったのは、お父さんがイベリコ豚のYさんですね。まあ、みんなでイベリコ豚の写メを、Yさんに当日、送ってあげましょう。


本日はこれまで。