お猪口で、お茶を


「秘密のケンミン・ショー」をみていたら、島根県松江市周辺では、お茶を、小さなお猪口のようなもので飲むという。大きな湯呑は、番茶用で、これは日常的にがぶ飲みするもの。煎茶は、小さな茶碗、まさにお猪口のようなもので出すという。


これは煎茶は、お猪口のような小さな茶器で飲むという、煎茶の作法が松江市周辺に伝わり、日常的に定着したとのこと。詳しい事情は知らないが、まあ、それを疑う根拠はない。


だたそうした小さなお猪口のような茶器、私も持っている。べつに松江市の出身ではない。


では、どうして持っているのか。煎茶などを小さなお猪口のような茶器で飲むこともあるのは私は知っていた。ただ煎茶ではなく、私の場合、これは玉露用の茶器である。


ケンミンショーのビデオにもはっきりうつっていたが、松江市周辺の家庭で、お猪口のような湯呑にお茶を入れる急須には取っ手がなかった。そう私が玉露用にもっている急須(高級品では全くないが)にも取っ手がない。どうしてか。取っ手がない急須は、熱湯を入れると熱くて持てない。煎茶とか、とくに玉露などは、十分に湯ざまししたお湯を使う。ひと肌に冷ましたお湯でないと玉露を淹れてはいけない。取っ手のない急須をもっても熱くないよう十分に冷ましたお湯を使うのである。


ではどうしてお猪口なのか。理由はわからないが、推測するに、十分に冷ましたお湯で淹れる玉露は濃厚な味がする。少しずつ、じっくり味わいながら飲むのにお猪口型の湯のみがふさわしいのだろう。玉露は、濃厚だから、番茶やほうじ茶のようにがぶ飲みはできない。また玉露は高価である。私は、そんなに高価な玉露を飲んでいるわけではないが、それでも高いことは高い。がぶ飲みはできない。少しずつ飲む。玉露はお猪口で飲むのがいいのだ。