Barefoot in the Brain



一昨年あるいはそれ以前だったのか、12月にイギリスの科学者グループが常識の嘘をいくつか指摘したことがニュースで伝えられたが、その時の、常識の嘘のひとつに、人間の脳は、ごく一部しか使われておらず、残りの能力が眠っているというものだった。実際には人間は、脳の大部分を使っていて、たとえば脳の9割の能力は、使われずに眠っているとういのは、嘘だということだ。


私には専門知識がないので、どちらが嘘なのか、あるいはどちらか定説なのかは、決められないが、直感としていえば、私は、自分の脳の10パーセント【たとえばの話しだが】しか使っておらず、残り9割の脳は眠っているなどというのは、たわごとだと思う。もちろん、そんなに頭のよくない私個人の感想だが、もう私の脳は、いっぱいいっぱいで、潜在能力がまだ半分以上あるなどとはとうてい信じられない。


たとえばPCのようなものを脳のモデルと考えると、私は、自分のPCの能力のごく一部しか使っていなくて、文章を書き、メールの受送信を、ネットを検索し、テレビを見て、DVDを見るくらいで、それ以外のことに使っていないから、能力の1パーセントも使っていないだろう。それでも購入してから4年くらいたつと、コンピュータの動きが、私の頭と同様に鈍くなっている。まあメモリを増やすとか、その他いろいろな処置をすれば、PCの老化はふせげるのかもしれないが、なにもしていないと、能力を全開していなくても、確実に老化している。私の頭と同じである。


だから仮に自分の脳のごく一部しか使っていなくても、確実に脳は老化して、使い物にならなくなるのでは。まあ、これはアナロジカルな思考としては、あまり頭のよい思考ではないようだが。



木村拓哉のドラマでは、朝からたくさん朝食を食べている。脳を燃料となる糖分を食事で補給しておかないと頭が働かないということだが、しかし、それはなんとうい頭の悪い発想だろう。


朝食業界(そんなものはないだろうから、頭の悪い言い方がだが)の陰謀で、朝食をしっかりとることが健康に良いという神話ができあがっているが、朝食をしっかり摂ったら、体も頭も壊れてしまうことくらい誰でもわかる。


朝、朝食をたくさん食べると、消化のために大量の血液が胃に集まる。そのため脳に血液がまわらず眠くなる。ただでさえ、夜更かしする現代人は、眠たいのだ。朝食に含まれるブドウ糖が、脳の栄養になる前に、脳に血液が行かなくなって、眠くなるだけである。頭を働かせる前に、頭が働かなくなる。


しかし、私たちが朝、そんなに眠たくならないのは、ひとつは咀嚼運動をすると、血液が頭部に集まるから、眼が覚める(まあガムを噛むと眠気覚ましになるようなものだ)。また通常、私たちは、朝食のあと食休みをすることなく、働いたり、外出(出勤、登校など)するからである。外出するときは、歩こうが車を運転しようが交通機関を利用しようが、注意をするので、人間の脳に血液がゆく。そうなるとどうなるかといえば、消化吸収のために胃に血液がまわらなくなるのだ。胃は少ない血液で消化吸収をしなければならない。たっぷり摂った朝食を少ない血液で消化吸収する。ということは胃に負担がかかる。朝食をたっぷり食べると胃がんになるという説を唱えている医師もいるが、それはもっともなことではないかと思う。


まあ激しい肉体労働をするのでなければ、朝食は軽くとるほうがいい。朝食業界の陰謀に負けて、たっぷり朝食を摂っていたら、寿命が縮まる。糖分をとるだけなら、それこそバナナ一本でも問題ないはずである(バナナは、有機バナナ、なければ台湾バナナ、それ以外のバナナは寿命を縮める)。いや、バナナでも糖分を摂りすぎるかもしれない。サプリメント食品でも十分である。たとえば錠剤のサプリメント食品は、そのほとんどが糖分である(たとえばビタミンCをコーティングしているのは、ほとんどが糖である)。だからサプリメント食品でも糖が取れてしまうのだ。とはいえサプリメント食品そのものもまた、寿命を縮めるので、お勧めは出来ないが。


まあ、私たちはせっかく立派な脳を持っているのだから、朝食業界の陰謀の犠牲者になることなく、またあまりにも頭が悪すぎる通説も真に受けないことだろう。