虚像のエコー

サンミュージックの社長は、いよいよ保身に走りはじめ、その正体を現し始めた。酒井法子について、一言相談してくれたら、なんとかしてあげらたのにと会見だったかインタヴューで語っているからである。だが、なんという愚劣な発言だろう。たとえそうだったにしても、酒井法子覚せい剤問題については、本人のプライヴァシーについては触れないことにしていても、知らなかったにしても、私の監督不行き届きでした、本人を救えなかった責任は社と社長にあると、なぜいえないのか。


一言、話してくれたら手を差し伸べることができたのにと、物分りの良い温情溢れるところをみせているが、ほんとうは、責任逃れだろう。私は知らなかった、責任はないという、責任逃れ*1


だがこれが全くの虚偽としかいえない事件が起きている。産経新聞の報道によると先月、酒井法子の弟が覚せい剤所持で福岡の警察に逮捕されているからである。しかもその弟は、泣く子も黙る山口組の組員なのだ。サンミュージックの社長がこのことを知らないはずはない。あるいはこの情報がサンミュージック側に届かないはずがない。今回の事件と、この弟の逮捕とは直接の関係はないと警察は発表しているようだが、べつにそれを疑うつもりはないが、そうだとしたら、当然、想定されてよい、弟・山口組覚せい剤の線から、通常は酒井法子覚せい剤汚染が、調査され、そうしてその結果、この線からはなかったということになったといこと、つまり逃亡する以前から、疑惑まみれであったということだ。それを全く知らない顔をしているサンミュージックの社長は恥を知れ、責任をとれといってやりたい。


私は酒井法子について好きでも嫌いでもないので、許すつもりもないが、責めるつもりもない。またそのようなタレントを出したことについて、芸能プロダクションを責めるつもりもない。そこまで責任を負いかねることも事実だろう。問題なのは、酒井法子と闇の世界との付き合いとか、覚せい剤汚染の可能性を知っていながら、虚像を作り続けていたサンミュージックの社長以下、関係者である。この虚像のエコーは、ヤクザがらみ覚せい剤常習者を中国の親善大使にするまでになった。もう言い逃れ、責任逃れでなんとかなるという次元はないだろう。


もっとも芸能プロダクションの社長も、まあ闇の世界から脅されているのかもしれなくて、被害者なのかもしれないが。

*1:その後、サンミュージックでは所属タレントの管理マニュアルを作るというようなことが報道されたのだが、これも責任逃れだろう。文書化されていなくても、暗黙のマニュアルのようなものはあるはずで、そうでなかったら芸能プロダクションはやっていけないはずである。