地震速報

前日、かつての指導生と、近くの中華料理店に行って酒を飲んだ。そこは最近は、行かないのだが、昔は、研究会とか授業のあとで、よく行っていた、台湾料理の店で、そこの女主人に、いつも叱られていた(本気で叱られたいたわけではないが)ようなところがあり、また私の指導生がよく教師と間違われたり(彼は、大学でも、教師とまちがわれたという伝説の持ち主だったが)と、いろいろ思い出深いところであった。いまでは女主人もかわったようだが、叱るような接客態度は、昔と今も変わっていない。


そこで深酒をしたわけではないし、比較的早い時間に店を出たのだが(実際、夜の9時ごろで客はほとんどいなかった)、久しぶりに酒を飲んだので、帰ってからすぐに椅子に座ったまま眠ってしまった。そのため早朝午前4時頃には起きていた。外も明るくなり始めている。


そして午前5時。ぼんやりテレビをみていたら、突然、地震速報が画面右下に現れた。アナウンサーの顔色が変わった。


地震速報というのは、地震後に、どこどこは震度いくつと流すものと思っていた。駿河湾沖で大きな地震があったようですとアナウンサーの声が聞こえてくる。地震速報には静岡県と神奈川県と出ている。この二つの県で大きく揺れたようだと理解したが、だったら、こちらも少しぐらい揺れがあってもよかったものを、揺れはなかった。不思議だと、もう一度地震速報をみた。


それはよくみると緊急地震速報で、これから起こる地震についての情報である。静岡県と神奈川県を、これから大きな地震が襲うということなのだ。いまはじめてその意味がわかった。となるとこの二県を地震が襲うとすれば、こっちにも来るぞ。私はあわてて立ち上がって、キッチンで倒れやすい食器棚を押さえに行った。ほどなくして揺れ始めた……。


東京は震度4だったらしく、しかも揺れもかなり長かったようだ。緊急地震速報は、以前、深夜にテレビをみていたら、地震が収まってから画面に出て、そのばかさ加減を、このブログでも批判したことがあるが、今回は、地震到達前に流れた。地震がくると覚悟ができていいのだが、逃げるわけにもいかないのだから、結局、来るのを待つしかないということで、それはそれで役に立つのだろうが、それ以上のものではないだろう。


ちなみに到達した地震は驚くほど弱かった。東京24区に隣接している市なのだが、あまり揺れない。日曜日に大きく長く揺れた地震に比べたら、ほんとうに小さい。最終的にこの地域は震度3と出たが、体感ではあっというまに終わった震度2くらいであった。地域によってゆれ方が違うのが面白いというか不気味だ。