一休さん

昨日、京田辺の一休寺(酬恩庵、「一休寺」は通称)を訪問した。この時期、とりわけ21日からはじまる連休の京都は、紅葉をみようとする観光客で賑わい、たとえば21日に行った東福寺などは、関西ではテレビで宣伝してたらしく、まるで初詣の参拝客のような、人手で驚いたが、もっと驚いたのは、一休寺に人がいないことだった。


もちろん21日金曜日ウィークデイなので、観光客がいなくてもへんではないのだが、境内にいると、ときおり観光客が視界に入る。と同時に観光客が全く見えないこともある。京田辺の駅から1・5キロ、バスで行くとバス停から5分というところか。決して不便なところではないが、まあここにきたらほかに行くところがないということか。


境内は紅葉もあって静かな禅寺で、ここに一休宗純が埋葬されているのだが、一休禅師は後小松天皇落胤でもあるため墓は宮内庁の管轄になり、参拝はできない。入り口から写真だけを撮った。



売店では一休納豆を試食させてもらったが、甘納豆のような外見だが、味は塩辛くで味噌になる前の大豆といったところ。ご飯のおかず。昔の人は、これを肴に酒を飲んだということがわかる。


境内は石庭もあり、池もあり、静かな禅寺で、名高い一休禅師肖像画なども宝物殿に展示されている。とはいえ、境内には一休とんち話で有名になった少年一休のゆかりのものがあとでつくられていて、少年一休像はまだしも、小さな小川の橋に、「このはしわたるな」と書いてあったりして……。ちなみに今の子供たちは、一休さんのことを知っているのだろうか。小学生の姪に、一休さん関連のお守りを買ったが、そもそも「一休さんて誰」といわれるのかもしれない。アニメの放送もいまでは終わっているし。


とはいえ私も一休さんについては、たぶん姪以上に無知かもしれない。境内に少年一休さんが眠っている像があって、その腕には鼠がのっかっている。なぜ鼠なのかわからない。You Tubeでアニメを確認したが、第二話にでてくる鼠は、本物の鼠ではないし。不明。


ちなみに、偶然なのか、意図的なのか、眠る一休さんのこめかみに紅葉の葉が一枚置かれている。周囲には紅葉の木がたくさんあるので、風邪に吹かれた一葉がたまたまそこに落ちたのか。誰かがいたずらで紅葉の葉をそこに置いたのか。これでは眠る少年一休さんというよりも、こめかみを撃ち抜かれて死んだしたは一休さんじゃい。そこで写真を一枚。これはやらせじゃないよ。また観光客のいたずらとも思えない。そもそも観光客すくないから。


一休寺は、車でくるのがよいだろう。駐車場も完備されているし。私(たち)のように車がない場合は、新田辺駅まで歩いてかえることにした。地元の人(若い女の子)にたずねたら20分くらいといわれた。資料で見ると、1・5キロだから、正確な情報だったとあとでわかった。それまでは、うそつきの地元民と私(たち)は呪っていた。なにしろ、駅がみつからず、京田辺市の盆地の底辺を50分くらい彷徨い歩いたのだから。Lost in Tanabe.彷徨中に、編集者の方から私の携帯に電話が入った。道に迷っているので、後日、あらためて電話をもらうことにした。一休さん呪いじゃないと思う。