アル中な日々

****様


その件についてお答えすれば、私はアル中でもなければ、酒乱でもありません。


そもそも私は酒が飲めない体質で、
たとえば学生時代には酒を飲むと全身にジンマシンが出るような体質で、
ビール一杯どころか、臭いをかいでも吐きそうになっていました。
だから、こういう人間はアルコールを受け付けない体質なので、飲んじゃいけない。
それでも酒が強い人間はいいなという憧れもあって、
ちょこちょこ飲んでいたら、
いまではさすがにアルコールの臭いをかいだだけで吐き気がするということはなくなった。


ただもともと体質上、アルコールを受け付けない体なので、
たくさんは飲めない。
すぐに限界がくるし、それを超えるともどしてしまう。
だからたくさん酒を飲みすぎて、前後不覚になるというか
記憶がとぶという経験は生まれてから一度もありません。



くりかえすと泥酔するまでに酒を飲めなくて戻してしまうから、
泥酔はありえないということです。
ちなみに、私の母と妹は、
ともに酒がほんとうに強くて、全然、酔わない。
顔があかくなることすらない。
残念ながら母は、じょうぶな肝臓を、妹には残してくれたが、
私には伝えてくれなかった。
私の父親は基本的に酒が弱かった。


で、最近、酔いつぶれたある人のことを話題にしたら、
私のことも話題になり、私のことを、酒が入ったらひどいことになる
とか言われたのですって、
それは違う。
でも一度だけ、その人の前に、そういうことがあったことは
認めてもいいでしょう。
たぶん私がアル中だという根も葉もない噂は、
そこからきていて、人生一度の失敗がずっと尾を引いているのでしょうね。


たとえば私が院生時代に、酒乱の先輩がいて、
そうだと知らなかった私と、同期の男は、
その酒乱の先輩を追いかけて、
夜の二時とか三時に、**界隈を右往左往したことを覚えています。
その先輩が逃げるリア王みたいで、
私たちはリアを追いかける兵士たちみたいなもので
(比喩がよくわからないのですが)
さんざんな目にあいました。


ただその先輩は、そのことを記憶していないでしょうし、
また、いまではそんなことはまったくなくて、
誰もその人のことを
酒乱だのアル中だのと話題にすることはないので
あの人が昔、酒を飲んで前後不覚になり
たいへんな行動をして、迷惑したと語っても、
誰も信じないと思うくらい、
酒乱とは関係のない人生を歩んでいるはずです。
だからそれ一回のことでも、
やはり強烈な記憶として残っているのは事実なので
その人がそれ以前もそれ以後も全く酒乱ではなくても
こうして思い出してしまうのだから、
一度の過ちでも
注意しなくてはいけないと思う。


ちなみに別の先輩の話では、その暴れた先輩は
当時、いろいろと人生上の悩みをかかえていたみたいで
ああなるのもわかるということだったのですが、
私の場合も、人生上の悩みがあって、
酒の席で、失礼な言動が一度あったということでしょう。
これは憶えています。記憶がとんではいません。


では、どう失礼だったのかについては、
これは外からみていたわけではないので、
自分の顔とか表情が、自分にはわからないので
なんともいえないのですが、
あの暴力をふるったわけではありません。
また裸になったり、おしっこをしたり、
ウンコをしたりしたわけでもありません。
泣いたりわめいたりしたわけでもありません。


でもまわりを不快にしたのですよね。
どういったらいいのかよいアナロジーがないですが、
そう、今度、一度解散した映画会が再開しますよね。
で、その前の旧映画会で、映画を見たあと
食事というか懇親会というか宴会をして
その場で映画について語り合うことをして、
語り合いがけっこう面白くて、そのために
映画のあとの宴会で話が盛り上がりそうな映画を選ぶというような
ある意味本末転倒なことをしていたのですが、
そうした語り合いのなかで暴言を吐いて
映画会から永久追放になった人がいました。
今回再開する場合にも、その人には声がかからないのですが、
ただ、べつにその人は、映画会に参加しなくても
なんら不利益はないので、とくに問題はないのですが。
ちなみに永久追放のあおりをくらって、その人を紹介した人も
3ヶ月間映画会参加禁止という処分が出たのですが、
これも冗談の処分で、たまたまその3ヶ月、その人は最初から
日本にいない期間なので、その人にとってはいたくもかゆくもない
処置だったのですが。


で暴言を吐いたほうについてですが、
酒の席で、その人は、私にいろいろ暴言を吐いてきたことは事実。
まあ、私はパブリック・エネミーNo.1なので、
気にもしなかったし、
またその人がわめき散らしたとか、
暴力をふるったとかいうことはまったくありませんでした。
実は話の中身もどんなものだったのか忘れてしまったので、
たいした暴言でもなかったと思います。
ただ、周りにいた院生たちは、
先生にむかってなんて事を言うのだと
思ったらしい。
で、どうしてそうなったのかわからいないものの、
その人も人生の悩みをかかえていたのかもしれないし、
私としては、その人について悪い感情はもっていません。


そもそも優秀な院生のひとりだったので、
いまでは、いっしょに仕事をしていて、
その優秀なところをあらためて再確認しているので、
その後、なんら関係が悪化したわけでもありません。
実は、関係がむしろよくなった。
その時だって、私は何とも思っていなかったのですが、
周囲では、まあ冗談で、永久追放にしておきましょう、
次回は声をかけないようにしましょうということになった。
さらにその冗談のあおりで、紹介者も3ヶ月間参加停止になった
ということです。


で、私の場合もこれと似ているのかもしれない。
私はその時に、指導教官に暴言を吐いたわけではない
(その場に指導教官がいたのは覚えています)
ただ、私の周囲の人たちを不快にしたのかもれない。
何を言ったのか覚えていない。
アルコールがまわりすぎて、憶えていないのではなく、
私自身、不快な発言をしているとか言動をしているという
意識はなかったために。


そしてまたその時、
重大な人生上の悩みをかかえてたのは事実です。
そのため酒が入って、発散してしまったのかもしれない。


というのが私から言える限りの真相で、
その場にいた他人からは
別の感想が出てくるとは思いますが、
しかしその別の感想も、私が裸になってウンコしたという証言には
ならないことはたしかであり、
また、朝起きてみたら道路わきに寝ていて
メガネが壊れていたというようなことは絶対にないので、
そこまでの泥酔でもありません。


まあ前の映画会で暴言を吐いた人と同じ程度の不規則行動だったと
自分では考えています。


もちろんその暴言を吐いた人は、
このブログを読んでいるのかもしれないので、
あらためて私は何の暴言だったかも忘れているし、
むしろ、嫌うどころかリスペクトすらしている気持ちに
変わりはないことはここに記しおきたいと思います。


それでは次回の映画会で。