長寿国


長生きの秘訣を知るために、中国三千年の知恵を借りるというようなコマーシャルがあったけれども、たしかに中国のほうが国としては古く、長く存続しているのが、日本人の平均寿命は、世界一で、おそらく中国人よりも日本人のほうが長生きである。だったら、日本人よりも平均寿命が短い、中国人から何をまなぶのだということになる。こういうことを指摘したのは、もちろん私だけではない。誰もが気づくことである。


長生きの日本人が、他の国から学ぶことなどなにもないのである。むしろ他国のほうこそ、日本の、たとえば食習慣から学ぶべきであろう。


だが、最近はそうもいっていられなくなった。山口県防府市というのは、私の母の故郷なのだが、そこで戸籍上168歳の人間がいることになっていた。まさか、私の母の親戚ではないだろうが、こういう書類上のみの高齢者は、今回の騒動で、つぎつぎとあぶりだされた。さすがにこの168歳という架空の人物が、日本人の平均寿命の統計の際に、カウントされたことはないだろうが、しかし、書類上のみ生きている高齢者が、平均寿命の際にカウントされていた可能性は高いだろう。


おそらく日本人の平均寿命も統計をとりなおしたほうがいい。長寿国という名称は、近々返上することになるだろう。自殺者も多いし、親は子を捨て、子は親を捨てているこの国が長寿国であるはずがない。だいたい最近では食用油を、食べるラー油として飲んでいるバカ国民である。私のように胆石になった者からの目から見ると、ラー油ブームは、狂気の沙汰としか思えないのだが。