夏休みの宿題


本日、上野の芸大の美術学部にある美術館にシャガール展を見に行った。猛暑のため午前中、見ただけで、浅草のサンバカーニヴァルを見に行く元気もなく、そのまま帰宅。


芸大のなかにある美術館だからといって、なにか特別なものはなく、むしろ、ふつうの美術館が、たまたまその大学にあるという感じで、大学は場所を貸しているというだけであった。展示の企画は、大学とは関係なかったみたいだし。


なお展示品はすばらしく、シャガールの有名な絵がかなり来ていて、満足感は高い。モーツァルトの『魔笛』の舞台装置の図案が興味深かった。絵としても面白い。あと、これはあまりに目に心地よく、イージールッキングとしか形容のしようがない作品として、初期カンディンスキーの絵が数点あった。抽象画になる以前の具象性の高い絵画なのだが。


ちなみにシャガール展にいっしょに言った中学生に、夏休みの宿題について聞いた。社会科の宿題としてクラス全員に、日本の都道府県をひとつ割り振り、その県について調べるというもの。面白い宿題だと思った。いろいろな本で調べてくるらしい。ネットにいろいろな情報があるから、ネット上のサイトをあれこれ調べるだけでも、短時間に多種多様な情報が手に入ると言ったら、学校の先生からネットではあまり調べるなといわれたとのこと。


その理由はと聞くと、がさネタが多いからというもの。たしかに、ネット上の情報には信用できないもの、端的に言って虚偽情報も多い。たとえばWikipediaは便利だけれども、百科事典としては、玉石混交、それも石が多い玉石混交であることは確かである。しかし、では書籍に誤情報がないかということ、そういうこともないだろう。また書籍は情報が遅いことがあげられる。それこそ地方自治体が立ち上げているサイトの情報は、信頼がおけて最新のものといってよいだろう。


また中学生レヴェルの自由研究においてはネットで幅広く情報を集めたほうが、絶対に有意義だと思う。Wikipediaは、いい加減な説明が多いのだけれども、それを出発点として情報を幅広く、また掘り下げていくには、便利このうえないものである。図書館にいって複数の「古い」本をめくって得られる「新しい」情報を、質量ともにはるかにしのぐ情報が、家庭で1時間くらいパソコンの前にすわっていれば得られるのだがら。


なにか中学校の先生、頭、古くて硬いのではないかと思ったが、よく考えたら中学生がネットを利用するのはあまりよくないと気づいた。たしかに、私が中学校の先生だとしたら、同じことを語っていただろう。中学生がネットのゲームに没頭するということもありえるかもしれないが、それよりもネット上のエロサイトをみてしまう可能性は、かなり高い。たしかに中学生がネットで調べるのは、危険が多いともいえる。エロサイトのせいで、せっかくのネットの情報を中学生が獲得できなくなるというのは、ほんとうに困ったことである。

付記
最近の中学生は、キーボードで文字がうてるらしい。私などは大学に入って手動式のタイプライターを購入してはじめて、キーボードの操作を学んだのだが、いまや、コンピュータの普及で、中学生、あるいは小学生でもキーボードが操作できるようだ。で芸大の美術館のカフェ(ホテル・オークラが経営している)で目の前にいる中学生に、ほんとうにローマ字入力しているのか、たしかめるために、たとえばmのキーは、キーボードのどこにあるかわかりますかと質問した。キーボードの上とか下とか、右とか左とか。どこですかと質問したら、即座に、ここと、目の前のテーブルを人差し指で押さえた。う〜ん、それじゃ、なんにもわからないじゃないか。アホか(ちなみに、それじゃなにもわからないでしょうと言うと、下の段に、nの隣にあると正確に答えたものの、アホじゃ)。