シャングリラ 灼熱地獄2

8月に灼熱地獄の話をした。昔、竹内均教授がテレビで、このままエネルギーを使い続けると灼熱地獄になると話したことを思い出したのだが、その予言は当たっていた。しかし、そのとき私は、エネルギー消費の結果、地球温暖化が生まれ、それが灼熱地獄をもたらすのかと、漠然と考えていた。


そのときは広瀬隆二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書2010.7)を読んでいなかった。まず二酸化炭素地球温暖化をもたらすという説は、無根拠であることがわかったということ。実際にデータが捏造されていたこと。そのことを知って愕然とした。と同時に、さもありなんと思った。


二酸化炭素悪玉説は、ひるがえって原発建造にお墨付きをあたえるものとなっていることは、誰にでもわかる(さらに重要なこととして二酸化炭素排出量についての、国際的な取引という未曾有の事態も、地球温暖化説をとなえた陰謀家たちの発案であった――今回のタイトルはこちらに関係している)。


テレビで紹介されたフランスのニュースだったが、そこではレポーターが温暖化の危険を説き、一刻も早くクリーンなエネルギーである原子力発電への切り替えが必要であるとまじめな顔でレポートを結んでいて、愚かさに国境はないと痛快した。


原子力発電のどこがクリーンなのだ。二酸化炭素に比べたら、原子力発電ほど汚く、危険なものはないのに、何をいうかと思ったのだが、フランスは原発大国(また原発事故多発国)である。日本も、民主党政権のもとで、原子力推進に拍車がかかりそうだ。いまの管直人首相の内閣がつづくかぎり、原発は一方的に推進され、前原とか仙石といったバカは原発をさらに東南アジアに押し付けようとしているくらで、これには憤りを感ずる。


では地球は温暖化していないのかというと、温暖化していない。ならばこの猛暑はなにかといえば、一時的な異常気象とヒートアイランド化現象である*1。そしてまさにそのヒートアイランド化現象に貢献しているもののひとつが原子力発電であり、原発は海水温を暖めている。また電気エネルギーは廃熱となって夏の都市部をヒートアイランド化している。まさにエネルギー消費が灼熱地獄を生んでいるのであって、そういう意味で、30年あるいは40年前の竹内教授の予言は的確なだったし、また予言能力がなくても、エネルギー消費がヒートアイランド化を生んでいることはわかるので、二酸化炭素消費量だけを問題にしていては、温暖化の元凶を見誤ることになる。

*1:気象庁もメディアに促されるかたちで、小声(ほんとうに)で地球温暖化も関係しているとしたが、恥を知るべきだし、哀れにさえ思えてくる。