2007-01-01から1年間の記事一覧

ボケキャラ

昨日、前期最後の授業で、英文学史の試験をした。 私は試験はあまり好まないのだが、文学史のだけは試験をすることになっているので、ない知恵をしぼって問題を出した。私の試験問題の特徴は、文学者の肖像なり写真を出してこれは誰かと答えさせるものである…

消えかかっている貞子

帰りの地下鉄のなかで、若い女性が「貞子をみた」とか話している。『リング』のDVDを見たというようなことなのだが、ただ「貞子をみた」というと、映画『リング』のあの貞子的人物を直接見たのかと思わず驚くほど、映画の影響力は大きい。いまでも怖い映画(…

空想図書館

とはいえ図書館の話ではないのだが。私が時々見る夢に、書店で、聞いたこともない本に出会うという夢がある。 もちろん古今東西の書物を全部知っているわけではないから、知らない本に出会うのはあたりまえのことかもしれないが、場所は、古書店。天井まであ…

浅き眠り

ふとうたた寝をしてから目が覚める。夢を見ていた。眠りが浅いので、見ていた夢を憶えている。二階で病の床にある伯母さんに、これから出かける私たちは、言葉をかけておくこになった。ちょっと用があって出かけきますから、すぐに帰ってきますからと、母は…

電話テロ

いまから6年前のこと、夜、私のところに電話がかかってきた。電話の相手は、私の知らない、また私が聞いたころもない人物だったが、私が最近出版した翻訳の、とくに固有名詞の日本語表記がおかしいという。それはアラビア語関連の表記なのだろう。 私はこい…

入試問題

北海道から帰ってきたら、大学入試問題集に問題使用許可願いが来ていた。公文と教文館から。 私は入試問題を作る立場なので(立場ではあるが、実際に今作っているかどうかは秘密)、入試問題に使用する文章の著作権については、うるさくいうのはどうかと思う…

台風男

たしかに台風男といわれてもしかたがない。今回9月5日から7日までの北海道旅行は、5日初日から台風の影響が出はじめて、6日の後半は大雨にたたられた。6日には台風が関東地方を直撃している。そして7日は釧路からはたして羽田まで帰れるかどうか、気が気でな…

焼芋

本日、徹子の部屋をみていたら、ゲストの杉良太郎が、自分のところで作っている「大地」という焼酎を宣伝していた。その焼酎、芋ではなくて、焼芋からつくる焼酎だという。焼芋焼酎。黒柳徹子が、番組のスタッフによると、焼芋焼酎って美味しいらしいですね…

蠔勇俊

本日は、韓国と日本の研究者(女性史、女性問題研究者)の合同のシンポジウムで、私は午後3時45分の会からのシンポジウムの二人いるコメンテイターの一人としてコメントすることになっていた。4人の発表を聞いて、コメントするときの、持ち時間はきっかり10…

暗い日曜日II

どうしてこんなことに気づかなかったのだろうと、いや、むしろ久しぶりかもしれないと、小さなチョコレートのボールの入った箱をみつめていた。 でもチョコレートは、かたいかな。飴のようになめてもらえばいいのだが。だったら最初から飴にしておけばいいの…

あやまち

あれからまだ4年しかたっていないのかと、感慨をあらたにした。 もともと埼玉県生まれなのに、東京在住の二人の人物に対して、埼玉県生まれではないのに、埼玉県に住んでいる私が、最近の県知事選挙の話題に触れ、埼玉県を去ったふたりに、まあ、私が投票し…

飢え

これはボーヴォワール経由だから、フィルターがかかっているかもしれないので、話半分と考えたほうがいいかもしれないのだが、彼女がシモーヌ・ヴェイユと話をしていたとき、ヴェイユは、今必要なのは、飢えた人たちに食べ物を与える世界革命なのだと語った…

ロチェスター

BBCが昨年放送したニュルンベルク裁判の再現ドキュメンタリを衛星放送で見た。3話連続放送で、午後8時ですべて見たことになる。つまり続きは翌日かと思ったが、調べたところ3話で完結だった――シュペーア編、ゲーリング編、ヘス編。まあ妥当なところか。私は…

審判

ある公的機関において研究費の配分を決める審査員をしたことがある。審査員であることは、任期中には公表されず、任期後、数年後に公表される。もう私の名前も発表されているから、秘密でもなんでもない。とはいえ審査会議の結果ではなくてプロセスについて…

Between the Acts

金曜日の午後、テレビ・ドラマ『相棒』の再放送をぼんやりみていた。劇作家が女優に殺される話で、演劇の世界が描かれている。そのなかで「幕間」という言葉を、出演者全員が「まくま」と発音していた。「まくま」ではなく「まくあい」ではないかと思ったが、…

夜の来訪者

うっかりして気付かなかったが、プリーストリーの『夜の来訪者』が文庫で翻訳されていた(安藤貞雄訳、岩波文庫、2007)。今年の2月に発売されていた。あの頃は、大学の仕事が忙しかったし、胆石の発作が起こる直前だったので、気付かなかった、気付く暇がな…

真景累ケ淵 2

8月6日の映画会は、ふだんとはちがい、月曜日のウィーク・デイ。そんなに人はいない。ピカデリー2は、全席予約席だったから、参加者3人が並んで席を取ればよかったのだが、ばらばらに席を買うことになった。幹事(Mr Y)は、中央の席。私は両隣が開いていて…

真景累ケ淵 1

6日は恒例の月一の映画会だった。この時期、通常の映画館でロードショー上演をみようにも、西遊記だの、ハリポタだの、ねずみが料理するアニメなど、オジサンが見る映画はない。そんななか『怪談』は唯一、中高年でも見ることができる稀有な映画である。 い…

誤訳の地図

『私は「うつ依存症」の女』のDVDが見つかった。アール・グレイのシーンを見直してみると、私がうろ覚えであったことが判明した。 クリスチーナ・リッチが恋人とのデート中、男が別の女と親しげに話したことに嫉妬して、先に帰ってしまう。後日、カフェかど…

アールグレイとミルクティー

フェアトレードで購入したアールグレイをミルクティーにして飲んでいたら、ふと気になったので、ネット上で「アールグレイとミルクティー」で検索してみた。 ネット上では、「アールグレイにミルクは合わないですか?」と次のようは質問が寄せられていた。 …

二度目

8月3日は、母の命日である。だからというわけではないが、母の死を悼むこともあり、その日、この日はなにもしないことにしている。 以前、私が指導している院生が、8月3日に結婚式をあげることになった。式にでてくれといわれたけれども、命日だからと断った…

エクソダス

最近、翻訳に追いまくられて、息つく暇もないが、予定より1ヶ月以上遅れて、本日、脱肛した、いや脱稿した。もう出版予告が出ているらしいのだが、怖くて見れない。 ただ、ほんとうにぎりぎりながら、なんとか仕事をひとつこなしたので、すこし気が楽になっ…

物語作者

今日は、午前中、前期最後の授業で、補講。シェイクスピアの演習で、『ジュリアス・シーザー』を最後までなんとか読んだ。私の入院のため、休講が多くて、補講をしても、通常の授業回数にはまだ追いつかない。しかしかといって、授業が成立しなかったとなる…

格差社会

以前、テレビを見ていたたら、私の大学の学長(正式名称は違うのだが、一般的には学長といったほうがわかりやすい)が出ていた。住まいやライフスタイルをすこし紹介していたが、りっぱな家に住んでいるものだと感心した。 学長のあの豪邸と、私が住んでいる…

CSI

22日の映画会で、現在、関東圏では午後1時30分からフジテレビで放送されている『金色の翼』が話題になった。ヘンリー・ジェイムズの『鳩の翼』が原作ということで。とはいえこの時間帯に、このドラマをみている学生は、そんなにいなくて、知っている私のほう…

28Days Later

先月、退院してから28日後に、病院でMRIと採血の検査を受けた。 結果が悪ければ、さらに検査が入り、長引くかもしれないから大学の午後からの授業は休講にした。最初、休講には抵抗があって、検査の日を変えてもらおうかとも思ったが、火曜日に一回補講した…

負け犬

アキ・カウリスマキ監督『街のあかり』は、『浮き雲』『過去のない男』に次ぐ三部作最後の作品とのことだが(順番に見ていかないと理解できないということはない)、しかし今日見た限りでは、『マッチ工場の少女』とペアになる、男性版という印象をうけた。 …

ポーシャの死

授業のときのコメントのロング・ヴァージョン。実際の授業では時間がなかったので要点だけを述べるにとどまったが、ほんとうはこれだけのことを話したかった。 『ジュリアス・シーザー』の第四幕第三場では、ポーシャの死が二度語られます。この場面、ブルータ…

授業の終わり

今日で、今週の授業は終わり。すべての授業を終えたが、疲れた。 学期の途中で2週間以上休んだあとの復帰は、本人にしてみれば冬休みあとの新学期程度のことと考えていたが、教員も学生もまだぼんやりしている休み明けの新学期とは異なり、全員、学期の真っ…

デブ専じゃないわい

DVDで『パプリカ』を見たのですか。私は映画館で観ました。その時、午後3時くらいの回だったのですが、同じ列ですこし離れた席にすわった、男性の若者が、やにわにファーストフードを食べ始め、その脂っこい匂いがあたりに充満して気持ちが悪かったのですが…