2008-01-01から1年間の記事一覧

CM二題

テレビでぼんやりCMを見ていたら、おかしいと思うCMがふたつあった。 1 味の素のコマーシャルで、味の素はさとうきびから作られる――サトウキビを発酵させてからつくるというメッセージが入っている。それは正しいことなのだろうが、だから味の素は「化学調…

クレーマー

土曜日の午後、郵便局に郵便物を出しに行った。私が差し出した郵便物の処理を待っている間、老人がやってきて、「これは誤配で、うちに入ってきたのだけれど、どうしたらいいのか」と、窓口で文句を言っている。 郵便局の係員がそれを受け取って調べたあと、…

かもめが死んだ

かもめというのは、海、あるいは海辺に住んでいると思っていたら、陸地にも住んでいる。ユリカモメは陸地にも飛来するそうだが、かもめも、渡り鳥なので、陸地にも飛来するということか。それにしても英語でSeagullというように、かもめには海・海辺のイメー…

No Country for Young Men

ポール・ハギスの『父親たちの星条旗』(クリント・イーストウッド監督)の脚本は、アメリカ中心的な世界観ながら、戦争そのものを脱構築した衝撃的な内容で、圧倒された記憶がある。 第二次世界大戦中、硫黄島での日本軍とアメリカ軍の戦闘において、アメリカ…

プライス

新劇の翻訳劇、いえ新劇でなくても翻訳劇一般というのは、日本人が、外国人(たいては白人)に扮して、相手をジャックとかベティとか呼びあって、たとえいくら着ているものが洋装であっても、また身ぶりがなんとなく外国人であっても、どうみても日本人にし…

クィア・ファミリーの夢

本日は淵野辺での用件を終えて、池袋に到着したら、時間があったのでシネ・リーブルで映画。上映直前だったので、午後6時35分の『イースタン・プロミス』が満席に近かったら、6時55分の『JUNO』にしようと考えていたら、金曜日の夜なのに、同じフロアのレスト…

光は東より

6月29日仙台で話をしたとき、あとで外国人の女性から質問というかコメントをもらった。その女性は、私よりも日本語が上手く―まあ私の日本語はひどいものだから、比較しても意味がないかもしれないが、その流暢な日本語は、Small Japanese, less Englishの私…

愚かさに国境はない:バカ見出し

これは悪意があるのか、ただのバカなのかよくわからないが、いまネット上で、こういうニュースが流れている。 <世界の腐敗国家>中国73位・日本13位2008年6月29日、ドイツのベルリンに本部を置く非政府組織(NGO)「トランスパレンシー・インターナショナル(T…

タクシー

今日は仙台から東京へ新幹線に乗った。 ホテルの前で流しているタクシーをつかまえたのだが、東京などにくらべると、地方の都市ではタクシーがつかまえやすい。東京では、タクシー乗り場に、いかないとなかなか乗れないし、そのタクシー乗り場にも、タクシー…

ミネ・ハハ2

ジョン・アーヴィン監督の『ミネハハ』(日本語のタイトルは、・が入らないのでした)は、残酷な終わり方をしていて、原作あるいは『エコール』では、ぼかされていた状況なり結末を露骨に示したことで、評判が悪そうですが、しかし、あのような結末は、『エ…

ミネ・ハハ1

宮崎勤が昨日、死刑になったのですが、実は、私は、いまから20年くらい前に、宮崎勤が捕まった頃、宮崎勤に似ているといわれました。いえ、やっていることがではなく、というか、なにをやったのかは、またほんとうにやったのかは、いまでもわからないと私は…

13階段

昔、高野和明の『13階段』という小説を読んだら(映画化もされた)、日本における絞首刑の際には、13段の階段を登ることはないということが書いてあった。死刑囚に階段を登らせることはなく、ただ床が抜けるのである。 さらにいうと絞首刑とはいえ、実際には…

花男

20年ぶりくらいに、ブルームズ・デイを祝うことにした。祝うといっても、東京、渋谷のアイリッシュ・バーというかアイリッシュ・レストランで夜、学生と飲食をするということだけなのだが。 昔は、大学院の先輩たちと『ユリシーズ』の読書会をしていて、その流…

ハデス

Men in Black 本日、朝6時に起床。体調不良のまま8時30分の新幹線で、名古屋へ。葬儀に出席のため。 急逝の知らせに驚いた。58歳の若さで亡くなられたのもショックだったし、先月、下旬には広島の学会でお話したばかりだった。予期せぬことばかりだったが、…

英文学会新体制案7

支部体制の虚妄 もちろん、この1週間書いてきたことは、実現する見込みは、いまのところない。こうしたことがどこかで議論されているということもない。そのためファンタジーととらえていただければいいのだが、しかし、支部体制を推進している連中が、もし…

英文学会新体制案6

支部とは何か。現在の支部は、それぞれいろいろな問題をかかえている。構造的な問題として、支部活動の範囲が、英文学会の活動の範囲と同じならば問題ないが、そうではない場合もある。 ひとつは英文学会の活動よりも、支部活動の範囲が狭い場合。たとえば英…

英文学会新体制案5

地区代表選出 仮に地区会を形成することにして、最初に誰を地区代表にするかということを考えねばならない。これは理事会で、誰かを指定してもいいのだが、なかなかむつかしいかもしれない。こんなとき、現在の「支部」の代表を、地区会の会長あるいは代表に…

英文学会新体制案4

支部にはいらない人、そして複数の支部形成へ まず地区会には全員が割り振られるので、これを拒んだ場合は、英文学会会員であることを辞めるということである。また地区会の会費はゼロなので、事務的な振り分けを拒む会員はまずいないだろうと思われる。 「…

英文学会新体制案3

このように全員加入の地区会をつくり、それを評議員選挙の母体とする。しかし地区の活動は極力押さえるため、地区会員が不満に思う、あるいは物足りなさを感ずるかもしれない。 ただ、地区会は、活動しない(ほとんど活動しない)ため、地区会費を取らないの…

英文学会新体制案2

英文学会の会員を、その職場なり住居を基準として、機械的に、地区ごとにわりふり、全員を地区会員にする。 ほんとうは「支部」という言葉を使いたいのだが、使われているから、「地区」とか「地区会」とする。なお誤解のないように言っておくが、これは現在…

英文学会新体制案1

日本英文学会は、2009年度から新しい体制にかわることになっている。これは新しい法人組織に関する法律ができたために、組織の刷新を求められたからで、会員の活動そのものに変化があるわけではないが、組織形態がかわることは事実である。 新組織では、日本…

その名にちなんで

レオポルド・ブルームNHKの衛星放送で深夜放送した『レオポルド・ブルームへの手紙』と題された映画*1、テレビで見なかったのですが、映画そのものは知っています。あれはジョイスの『ユリシーズ』とは関係のない映画です。というか、直接関係はないのです。た…

さっぱりわややがな

学生と読んでいる英文学の作品で、鳩が地上の歩行者に向けて、うんち攻撃をしかけるという場面があって、そこで、以前、目の前に歩いている人が、鳩のうんち攻撃にあったところを目撃した経験について、ひとくさり。脱線。 大阪梅田の高架下の横断歩道で、信…

琴欧洲優勝

琴欧洲が本日、優勝を決めた。名前を変えたかいがあったというものである。ご存知の方も多いと思うが、琴欧洲は、成績が悪くなったため、縁起をかついで、名前を「欧州」から「欧洲」に変えた。「州」にさんずい(氵)をつけて「洲」とした。 ということは画…

文化と抵抗

本日、サイードの『文化と抵抗』について話をするように頼まれたので、午前中、2時間のうち1時間ほど話をして、残りを質疑応答の時間とする小さな会(15名くらい)で話をした。話と言っても、中身は読めばわかるので、あえて触れずに、パレスチナ情勢を、ユ…

ザ・ホラー

来週の旅行用に本にと、すでに購入していたが読んでいなかった本を取り出した。ダン・シモンズ『ザ・テラー』(上・下、ハヤカワ文庫2007)である。ダン・シモンズの『ハイペリオン』(日本語訳題ハヤカワSF文庫)は、寄せ集めであっても、ポストモダン的組み合…

三国志

前に映画館で予告編をみていたら、ジョン・ウー監督のRed Cliffという中国を舞台にしたスペクタクル映画の簡単な予告編があった。いまでこそ、ネット上から情報を得ることができるのだが、その頃は何も知らなかったので、「レッドクリフ」→「赤い断崖」。なん…

緊急地震速報

14日のテレビでJNNのアンケートによると、緊急地震速報について、「知っていた」と「聞いたことがある」人の総計が94パーセントとのこと。 やったね。緊急地震速報については、私は、なにも知らなかったし、聞いたこともなかった。これで残り6パーセントの日…

つぐない

1 今週の月曜日5月5日に、映画『つぐない』を観た。有楽町スバル座はめったに行かない映画館だが、当日は、ほとんど満席で、女性の観客が多かった。私のすぐ横に座った中高年のご婦人二人は、席につくやいなや、せんべいをむしゃむしゃと食べ始め、映画が始…

No Country for Old Men

ネット上に、『ゼア・ウィル・ビ・ブラッド』を見た感想として『ノー・カントリー』を思わせるというのがあって、それは、まさに水と「油」ほど違う、二つの映画をいっしょくたにした、なんというアホな感想かと思ったが、ふたつの映画、調べてみると、同じ…